ゼロカットシステムとは、急激な相場変動などで証拠金以上の損失が発生した場合、その損失分をFX会社が負担する仕組みのことです。日本にはゼロカットシステムを採用するFX会社がないため証拠金以上の損失は追証としてFXトレーダーに請求されます。ハイレバレッジ取引をおこなうFXトレーダーはゼロカットシステムを採用するFX会社で口座開設すると良いでしょう。
ゼロカットシステムを徹底解説
追証とゼロカットシステムとは
FXトレードをしていると急激な相場変動により証拠金以上の損失を被ることがあります。証拠金以上の損失分はFX会社から不足金額として請求されることがあり、これを追証(追加証拠金)と呼びます。
次にゼロカットシステムですが、ゼロカットシステムとは証拠金がゼロになった時点で取引を終了したとみなすシステムのことです。つまり証拠金を超えた損失(追証)が1億円発生した場合でも1円たりともお金を払う必要がありません。一時的にFXトレーダーの口座残高がマイナスになることはありますが、ゼロカットシステムを採用しているFX会社を利用していれば即日または翌日には残高がゼロに戻されます。
FXトレードで追証が発生するケースは滅多にありませんが、日本国内にはゼロカットシステムを採用しているFX会社がないため追証が請求されるリスクは常にあります。一方で日本人が口座開設している海外のFX会社のほぼ全てがゼロカットシステムを採用しています。そのため海外FX会社を利用しているFXトレーダーは追証を請求されるリスクがありません。
スイスフランショックで追証35億円が日本で発生
2015年1月15日、スイスの中央銀行であるスイス国立銀行が2011年9月から実施していたユーロ/スイスフラン(EUR/CHF)への為替介入を突然終了し、その理由を「為替介入をおこなう資金が国として負担できる限界を超えたため」と説明しました。
これによりEUR/CHFが大暴落となりスイスフラン高は一気に進み、為替介入終了の発表直後からインターバンクで20分間レートがつかなくなるという問題が発生しました。レートがついた頃には直近レートから1600pipsも値跳び(レートとレートの間が開いてしまう現象。窓明けとも言う)していました。この一連の出来事がスイスフランショックです。
この大暴落には一切の予兆がなかったため、世界中のFXトレーダーが大損失を被る大事故に巻き込まれました。もちろん日本国内のFXトレーダーもスイスフランショックを予想できなかったため証拠金を失い、さらに多額の追証がFXトレーダーに請求されました。日本のFX会社が報告したスイスフランショックによる追証者は、個人FXトレーダーで1137件、追証額は19億4800万円、1件当たりの追証平均は約171万円。法人FXトレーダーは92件、追証額は14億4000万円、一件当たりの追証平均は約1565万円でした。