MACDでのFXトレード

2017年08月05日

MACD(マックディー)とは売買のタイミングを計ったり、相場のトレンドを判断するために使用するテクニカル指標のことで、FXトレードや株式トレードで良く使われています。MACDは「Moving Average Convergence Divergence」の略で、日本語では「移動平均 収束 発散(法)」 と訳されます。

日本語で「移動平均(≒時系列の平均データ)」とあるようにMACDは、移動平均の中でも「指数平滑移動平均」という直近の値動きに重点をおいて算出される数値をライン化したものと、上昇・下降トレンドを知らせるシグナルと呼ばれる数値をライン化したものにより示されます。この二つの指標の相関関係で売買タイミングや相場状況が判断されることになります。

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MACDは1960年代にアメリカのジェラルド・アペル氏によって開発されました。ジェラルド・アペル氏は投資顧問会社の経営者で、精神分析の専門家でもあったようです。このテクニカル指標が作られた経緯は、彼の経営する投資会社の顧問先から「相場の状況をより早く判断できる指標を作って欲しい」といったリクエストがあったため、それに応えるかたちで作成されました。今回はMACDの計算方法や具体的な使い方について説明していきます。

なお、当社はMT4 EAの開発を専門に手がける会社です。当社のMT4 EAは別のテクニカル指標を使用して売買判断やトレンド判断をしているためMACDは使っておりませんが、MT4 EAは、すべて無料にて提供させていただいておりますのでご興味があれば以下のボタンから無料EAをご取得ください。

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短期・長期指数平滑移動平からMACDを導き出す計算方法

MACDは「短期指数平滑移動平均」と「長期指数平滑移動平均」との差から算出されます。計算式は以下のとおりです。

MACD = 短期指数平滑移動平均 - 長期指数平滑移動平均

指数平滑移動平均の詳細な計算方法については以下のページの「指数平滑移動平均線」の項目をご覧ください。

移動平均線とFXトレード

通常MACDの短期指数平滑移動平均線は12日、長期指数平滑移動平均線は26日を使用します。以下の画像をご覧ください。

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赤線が12日指数平滑移動平均線、青線が26日指数平滑移動平均線です。チャートの下部のサブウインドウにはMACDが棒グラフで表示されており、MACDのグラフを見ると0.00を挟んで上下にグラフが分かれています。

画像のAとCのエリアのように、赤の12日指数平滑移動平均線が青の26日指数平滑移動平均線より上にある時は、白の矢印部分に表示されているMACDの棒グラフの値が0ラインよりも上になります。このような状況にある場合は相場は上昇傾向にあることを意味します。

そして画像のBのエリアのように、赤の12日指数平滑移動平均線が青の26日指数平滑移動平均線より下にある時は、の矢印部分に表示されているMACDの棒グラフの値が0ラインよりも下になります。そしてこのような状況にある場合は相場は下降傾向にあることを意味します。

MACDからシグナルを導き出す方法

MACDにはもう一つ計算しなければならない値があり、それは「シグナル」の値です。シグナルはMACDの値を一定の期間で平均化したものであり、一般的には期間を9日と設定します。この値が導き出されると自動的にラインができ、これをシグナルラインといい、以下の画像の黄色のラインのことになります。

つまりシグナルはMACDの単純移動平均線のことです。単純移動平均線の計算方法は「移動平均線とFXトレード」のページをご覧ください

なお、通常シグナルは、灰色の棒グラフのMACDと、黄色ラインのシグナルラインが交差するタイミングで売買の判断をおこないます。具体例は以下より説明いたします。

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MACDの具体的な使い方

MACDの具体的な使い方を紹介します。MACDを使った一般的なトレード方法は、シグナルがMACDを上抜いたら「買い」、下抜いたら「売り」となります。以下の画像をご覧ください。

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(1)AのポイントでMACDがシグナルを上抜きました。ここで「買い」ポジションを保有します。

(2)シグナルよりも上にあったMACDがBのポイントでシグナルを下抜きます。ここで先ほど保有した「買い」ポジションを決済し今度は「売り」ポジションを保有します。

(3)シグナルよりも下にあったMACDがCのポイントでシグナルを上抜きます。ここで先ほど保有した「売り」ポジションを決済し今度は「買い」ポジションを保有します。

(4)シグナルよりも上にあったMACDがDのポイントでシグナルを下抜きます。ここで先ほど保有した「買い」ポジションを決済し今度は「売り」ポジションを保有します。

この繰り返しになります。

いかがでしょう。このトレード例を見る限りでは、MACDのトレード手法は上手く機能しているように見えますが、このように上手くいくことばかりではありませんので注意も必要です。

MACDが機能しにくい相場

MACDは相場の状況によって上手く機能しにくい場面があります。以下の画像をご覧ください。

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トレードサインが頻発し、すべてのトレードが損失になっています。これはトレンドが発生せず、値動きが狭い範囲で上下する「持ち合い相場」といわれる状況で良く起こります。MACDを使用しトレードをおこなう場合は、このような相場を避ける必要があります。

MACDの勝率を上げる方法

MACDを使用したトレードで勝率を上げ、利益を出しやすい方法を説明します。以下の画像をご覧ください。

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チャートはドル円の「日足」ですが、AのポイントはMACDがシグナルを上抜いて「買い」のトレードサインが出ています。BのポイントはMACDがシグナルを下抜いて売りのサインが出ています。ここでより長期的・全体的な相場の流れをつかむために、チャートの時間足を日足から週足に変更して、それぞれのポイントを見てみます。以下の画像をご覧ください。

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画像はドル円の「週足」チャートです、「日足」でみたときのAポイントとBポイントが、「週足」チャートのAとBの部分にあたります。

まずAの四角枠をご覧ください。日足チャートで「買い」のトレードサインが出ていた場所です。週足でのAポイントを見るとMACDは0ラインよりも上にあり上昇傾向にありますが、MACDはすでに下降しはじめています。またシグナルラインも上昇の勢いが衰え平坦になろうとしています。MACDとシグナルラインがこの状態になると、相場に上昇の勢いがなくなっていることを意味していますので、この状況で「買い」ポジションを保有するのはリスクが高いといえます。

次にBの四角枠をご覧ください。日足チャートで「売り」のトレードサインが出ていた場所です。週足でのBポイントを見るとMACDが下降しシグナルも下降しています。いっけんすると「売り」ポジションを保有するのに良さそうな状況です。しかしまだMACDはゼロラインよりも上にあるため上昇傾向は終了していませんので、この相場状況で「売り」ポジションを保有するのもリスクが高いといえます。

では、どういった相場状況でトレードポジションを持つと良いのかを説明します。以下の画像をご覧ください。

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画像はドル円の日足チャートですが、A,B,Cのポイントは全てMACDがシグナルを上抜いていますので「買い」のトレードサインです。チャートを週足に変更して、それぞれのポイントを見てみます。以下の画像をご覧ください。

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画像はドル円の「週足」チャートです。「日足」でのA,B,Cのポイントが「週足」チャートのA,B,Cの部分にあたります。どのポイントもMACDは上昇し、かつ0ラインよりも上にありますので相場も上昇傾向であることを意味しています。そしてシグナルも上昇しています。このような状況で「買い」ポジションを保有すると勝率が高まります。それでは次に「売り」ポジションについて説明します。以下の画像をご覧ください。

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画像は同じくドル円の日足チャートですが、Aのポイントで MACDがシグナルを下抜いていますので「売り」のトレードサインです。チャートを週足に変更して、Aのポイントを見てみます。以下の画像をご覧ください。

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画像はドル円の「週足」チャートです。「日足」でのAポイントが「週足」チャートのAポイントの部分にあたります。MACDは下降し、かつ0ラインよりも下にありますので相場も下降傾向であることを意味しています。そしてシグナルも下降しています。このような状況で「売り」ポジションを保有すると勝率が高まります。

【トレード条件まとめ】

<買いトレード>
●日足チャート
・MACDがシグナルを上抜く

●週足チャート
・MACDが上昇している
・MACDが0ラインよりも上にある
・シグナルが上昇している

<売りトレード>
●日足チャート
・MACDがシグナルを下抜く

●週足チャート
・MACDが下降している
・MACDが0ラインよりも下にある
・シグナルが下降している

MT4 EAでのMACD

MACDはMT4 EAでも良く使用されるテクニカル指標で、トレードのタイミングをとるのに使用したり、トレンドの方向性を確認するために使用します。

当社のMT4 EAは別のテクニカル指標を使用して売買判断やトレンド判断をしているためMACDは使っておりませんが、決して利用価値がないわけではありません。先述したとおり使い方を間違うと、トレードサインとは逆方向に相場が動いてしまう「ダマシ」が頻出してしまいますが、しっかりとMACDが機能しやすい状況で使用すれば、MT4 EAにおいても使いやすく利益を出しやすいテクニカル指標です。

なお当社のMT4 EAはすべて無料で提供しておりますので、ご興味のある方はブログ訪問をきっかにぜひ下のボタンより無料EAを取得されてください。

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