重要指標時のFX取引

ECB政策金利発表でのFXトレードとEA

2017年06月08日

ECB政策金利発表とは、欧州中央銀行(ECB)が月に1度発表をする金融政策のことで、FXトレードの世界ではアメリカの雇用統計やFOMCに次いで為替相場に大きな影響を与える重要経済指標と考えられています。ユーロ関連の通貨ペアに影響することが多いためMT4でユーロ関連のEAを稼働させている方は特に注意が必要です。

ECBと政策金利の基本概要

ECB(European Central Bank)はEU(欧州連合)の機関であり、日本では欧州中央銀行と呼ばれています。単一通貨であるユーロを採用しているEUの金融政策を担っている中央銀行で、日本銀行と同様の機能であると考えれば分かりやすいです。

ECBは6人の役員とEU各国の中央銀行の総裁で構成されています。主に金融政策や政策金利の決定、金融政策実行のためのガイドラインの作成などをおこなっています。ECBの会合は月2回開かれます。1回目の会合では政策金利や金融政策に関する内容が発表され、その後、記者会見にて発表された内容についてECB総裁が発言します。2回目の会合では金融政策以外のことが討議されますが一般に向けた発表はありません。

特にECBの政策金利の発表は世界中から注目されます。EUの各国にある中央銀行が、一般の銀行にどれだけの金利でお金を貸し出すか決定されるからです。EUの物価が上昇しておりインフレ状態と判断されれば政策金利が上がり、一般の銀行は中央銀行からお金が借りにくくなります。世の中に出回る通貨量を少なくして行き過ぎた景気(バブル景気)やインフレをコントロールするという考えです。反対に物価が下落しておりデフレ状態と判断されれば政策金利を下げて、一般の銀行が中央銀行からお金を借りやすくします。世の中に出回る通貨量を増やして物価を上げることで景気を良くしようという考えです。

このようにECBによる政策金利発表はEU全体の経済安定における重要な役割となっているためFXトレーダーはもちろん世界中の投資家や経済関係者が注目しています。

ECBは6人の役員とEU各国の中央銀行の総裁で構成

ECB政策金利発表での為替への影響

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米国の雇用統計でのFXトレードとEA

2017年05月28日

米国(アメリカ)の雇用統計とは、米国の雇用情勢を調べた景気に関連する経済指標のことで毎月第一週の金曜日に発表されます。雇用統計発表時には為替や株価などが動くことが多いため、FXトレーダーのみならず全ての投資家が注目している重要な経済指標となります。MT4でEAトレードをおこなっている場合は稼働停止をおこなうことをおすすめします。

米国の雇用統計の基本概要

米国の雇用統計とは、アメリカ国内の雇用情勢を調べた景気に関連する経済指標のことであり毎月第一週の金曜日に発表されます。米国の失業率に加えて非農業部門雇用者数、製造業就業者数、小売業就業者数、週労働時間、平均時給、労働参加率などが発表されます。主要国による重要な経済指標の発表は相場の方向性を決めることが多く、その中でも米国の雇用統計とFOMCの発表は世界で最も相場が変動する経済指標といっても過言ではありません。

米国の雇用統計の中でも、失業率と非農業部門雇用者数の内容はとても重要視され、特に非農業部門雇用者数は内容次第で相場を大きく動かします。例えば、失業率は改善されているが非農業部門雇用者数が減っているという場合や、非農業部門雇用者数が増加しているが予想数値よりも結果が悪かった場合などでは経済の先行きに不透明感が広がりドルが売られる傾向となります。

雇用統計の発表前後はFXトレードをおこなわないというのが一般的な考えになりますのでMT4でEAの稼働をしている方も雇用統計の発表前後は取引を停止しておくのが一般的な考え方になります。

米国雇用統計の基本概要

米国の雇用統計でのFXトレード

米国の雇用統計はFOMCと肩を並べる重要経済指標ですが、FOMCよりも発表内容の事前予想が難しいことからFXトレードは控えるのが通常です。事前予想が困難な理由は、雇用統計の発表項目は多岐に渡るため、一部の内容が優れていても別の項目が悪化していればドル売りや反対の動きとなることがあるからです。MT4で使えるEAはそもそも経済指標でのトレードを得意としていないためMT4で取引ボリュームを調整するか、EAの稼働を一時的に停止するのが基本となります。

雇用統計の発表前後は為替相場が大きく動くため、ポジションを仕込みたいと考える方が多いのですが、相場がどのように動くかを事前予測することは難しいため、最低でも発表後の値動きをみてからFXトレードをおこなうのが良いでしょう。一般的には雇用統計の発表から相場が落ち着いたことを確認した後にFXトレードをおこなうのが基本です。相場は一方向に急激に動くと、バネのように反対方向に急激に戻っていく傾向があるため、油断をせずに相場の監視をおこなうことも忘れないようにしてください。急激に相場が上下することを「相場の乱高下(らんこうげ)」もしくは「ジェットコースター相場」と呼びます。雇用統計の発表前後は値動きが激しくなるため、スプレッドが一時的に数倍から十数倍に膨らむことや、スリッページが発生して発注レートとは大きくずれることもありますのでFXトレードおこなう場合には合わせて注意が必要です。

相場の乱高下

冒頭でも説明しましたが、雇用統計ではどのように相場が動くか予測することが難しいためFXトレードは控えるべきです。特に経済指標でのFXトレードを苦手としているMT4でのEA稼働はしない方が良いでしょう。雇用統計の発表による影響がおさまり次第、FXトレードを再開することがベストです。なお、FOMCでのFXトレードについて知りたい方は、FOMCでのFXトレードとEA

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FOMCでのFXトレードとEA

2017年05月19日

FOMCとは、アメリカの金融政策を決定するために開かれる会合のことであり、現在の景況判断と政策金利の方針が発表されます。市場予測に反する結果となれば世界の金融マーケットに影響を及ぼして株価や為替が大きく変動することがあります。FXトレーダーにもMT4で自動売買をおこなうEAトレーダーにも重要な経済指標となっています。

FOMCの基本概要

FOMC(Federal Open Market Committee)を日本語にすると連邦公開市場委員会となり、FOMCはアメリカの金融政策を決定するために開かれる会合のことを言います。米国の中央銀行にあたるFRBの議長を含む7名の理事とニューヨーク連銀総裁(副議長)、その他11名の地区連銀総裁の中から4名が持ちまわりをし、計12名のメンバーで構成されています。

FOMCは年間8回開催されます。主に政策金利と現在の景況判断と政策決定内容、それに関するFOMCメンバーの政策決定に対する賛否などが記された「声明文」が発表されます。その結果が市場予想と反していれば世界の金融マーケットに大きな影響を及ぼし、株価や為替などに大変動が起こることがありますので、株式トレーダーやFXトレーダーは大注目しています。MT4でのEAトレーダーにおいてはFOMCでのFX取引を控える傾向にあります。

FOMCの基本概要

FOMCでのFXトレードと注意点

FXトレーダーの中にはFOMCの発表タイミングをチャンスと捉えて利益獲得を狙うトレーダーがいます。FOMCで発表される景気判断や今後の政策金利は専門家などがあらかた予測しており為替変動の方向性が見えているため、事前に買いポジションまたは売りポジションを入れて利益を狙うことができます。しかし、FOMCの発表内容が予測とは異なる方向に動けば、事前に入れたポジションに大きな損失が発生することが多くなりますので、事前ポジションを入れてFXトレードをおこないたいという方は覚えておいた方が良いでしょう。FOMCの結果が事前予想の通りになった場合でも、その予測が既に市場に浸透しており為替相場にも織り込み済みであれば、FOMCが発表された直後に利益確定の動きが起こり、為替相場が一気に反発してしまうこともあります。

FOMCの政策金利が発表された後には、アメリカ中央銀行のFRB議長による発言がおこなわれることがあります。FRB議長は、現在のアメリカの経済状況を説明しますが為替相場に非常に大きな影響を及ぼします。FRB議長が発言すると為替相場が乱高下することが多々あるためFOMCの発表が終わった後に、FRB議長による発言があるかもしれないということを忘れずにFX取引を考えていくと良いでしょう。

また、FOMCの発表が終わった3週間後には、FOMCでどのような話し合いがあったかをまとめた議事要旨(議事録)が発表されます。この議事要旨の情報は誰もがキャッチでき、内容次第ではFOMCよりも相場が大きく動くこともあります。例えばFOMCで予想通りの政策金利据え置きだったとしても、3週間後に発表される議事要旨の内容に「実は利上げ賛成の理事が複数名いた」ということが分かれば、一時的に大きなドル買いが入り相場が混乱することがあります。そのためFOMCが終わったら政策金利を気にしなくて良いというのではなくFOMCから3週間後に発表される議事要旨にも注意を払ってFXトレードを考えていくことが大切です。

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