RSIでのFXトレードとEA

2017年09月12日

RSIとはRelative Strength Indexの略称であり日本語にすると相対力指数となります。一定期間における相場の値動きの強さを表す指標で、現在の相場が買われすぎなのか売られすぎなのかを示します。RSIは株式トレードやFXトレードで良く使われており、MT4に導入できるEAのプログラムにはエントリー条件としてRSIが頻繁に組み込まれます。

RSIの誕生と基本概要

RSI(Relative Strength Index)は1978年にアメリカのテクニカルアナリストであるJ.W.ワイルダーによって発表されました。J.W.ワイルダーはRSI以外にも、ATR(Average True Range)、ADI(Average Directional Index)、パラボリックSAR (Parabolic SAR)といった有名なテクニカル指標を発表した人物です。今回はRSIでのFXトレードの手法、RSIの計算方法、RSIのEAについて解説していきます。

RSIは0から100までの決められた範囲で動くテクニカル指標で、70以上は買われすぎ、30以下は売られ過ぎと考えることができます。このように一定の範囲内で上下して動くテクニカル指標は「オシレーター系指標」と呼ばれており、RSIはオシレーター系のテクニカル指標の中でも最も有名な指標になります。株式トレードやFXトレード、MT4を使用した自動売買のEAにもRSIが使用されます。裁量取引(手動取引)でRSIを活用するトレーダーは、基本的にローソク足チャートの下にRSIを表示しています。

RSIの誕生と基本概要

RSIを使用したFXでのトレード方法

RSIは0から100までの決められた範囲で動くテクニカル指標です。70以上は買われすぎ、30以下は売られ過ぎと判断されるのですが単純に数字だけで判断していくのも危険です。

以下のMT4の日足チャート画像をご覧ください。ローソク足の下にRSIが表示されています。赤〇部分でRSIが70を超え買われすぎとなり終値が125.59円となりました。素直に考えると売りトレードのタイミングですが、FXレートがどんどん上昇していき135.19円(9.6円↑)まで上がりました。売りポジションを保有した場合は大きな損失となったでしょう。

RSIのテクニカル指標

次は以下のMT4の日足チャート画面をご覧ください。2つ目の赤〇部分でRSIが70を下回ったので130.97円で売りトレードと考えるのは普通です。しかしFXレートはその後も上がり続け、最高で135.19円(4.22円↑)まで上がりました。先ほどの場面よりも上昇幅は少ないものの売りポジションを保有していれば大きな損失となっていました。

RSIの売りのタイミング

この時点で重要なのは、RSIの値は日足チャートのみでの判断では不十分であるということです。以下のMT4のチャート画面をご覧ください。左側は日足チャート、右側は週足チャートです。週足チャートをみることで全体的な相場の流れを確認することができます。

このチャート画像は先ほどRSIが70を下回り130.97円で売りポジションを持つ場面のチャートです。週足チャートをみるとFXレートは上昇トレンドの真っ最中でRSIもしっかりと上昇し70のラインに到達したばかりです。ここからレートが下がるという雰囲気は感じないので売りポジションを持つには少し無理があると判断できます。

RSIの売りではないタイミング

以下MT4のチャート画像は、週足チャートのRSIが70ラインを超えたあとにRSIが70ラインを割り込んだ場面のチャートです。このポイントを日足チャートで見たのが左側のチャートで、RSIは下降中にあり50のラインなので今後も下降する可能性がありそうです。この場面での売りトレードは問題にならないと考えられるので売りポジションを保有します。次に進みその後の値動きをご覧ください。

RSIの売りのタイミング2

以下MT4の日足チャートをご覧ください。132.57円で売りポジションを保有してから2.44円のレート上昇がありましたが、これまで説明してきた状況と比較すると上昇幅が小さくなったことが分かります。その後レートは下がり続けて最大で6.16円まで下げました。決済ポイントの戦略はいくつかありますので、基本的な決済ポイントを次に進んで確認してみてください。

RSIの決済ポイントを考える

以下MT4の日足チャートをご覧ください。基本的な決済ポイントは2つあり、決済ポイント1はRSIが30を割り込んだライン、決済ポイント2はRSIが30を割り込んだあと再度30を上抜いたラインとなります。

どちらの決済ポイントを選択するのが最適なのかは一長一短ですが、決済ポイント1を選択すれば確実な利益を獲得できますが、利益を伸ばすチャンスを逃してしまうこともあります。決済ポイント2を選択すれば利益が伸びていく可能性がありますが、RSIが30を割り込んだ直後に反転してしまうと利益が小さくなってしまう恐れがあります。そのため、決済ポイント1で保有ポジションの半分を決済して、残りの保有ポジションを決済ポイント2で決済するという方法が良いでしょう。

RSIの決済ポイントのタイミング

RSIを使用した損切方法

RSIでFXトレードをしている場合の損切方法をいくつかご案内します。以下MT4の日足チャートは、売りポジションを保有してからレートが上昇したためRSIが70を超えたラインの終値で損切をおこなっています。この方法でもしっかり損切りはおこなえますが、急激な相場変動がおこると損失がとても大きくなります。以下画像をみても損切りをしたローソク足は他のローソク足よりも大きく変動しています。このような場合の対処方法を次の項目で説明します。

RSIの損切りポイント1

以下MT4の日足チャートは上記チャートと同じものです。FX相場の値動きは直近の高値や安値を超えると、さらにその方向に動いていく傾向があります。以下MT4の日足チャート画像をみても、RSIが70を超えたときのローソク足をみると途中で直近の高値に到達しています。この直近の高値に到達した時点で決済をおこなうようにすれば、仮にその足が大きく変動しても損失を制限することができます。

損切り条件を「RSIが70ラインを超えた場合または直近の高値に到達した場合」として、先に条件に到達した方で損切りをおこなえば、最小限に損失におさえることができます。

RSIの損切りポイント2

RSIの値を計算する方法

RSIの値の計算について解説していきますが、まずは以下MT4の日足チャート画像にRSIの中心値である50、買われすぎの目安になる70、売られすぎの目安になる30の補助ラインが引かれていることをご確認ください。

RSIの値を計算

RSIの計算式は「一定期間の値上がり合計÷(一定期間の値上がり幅の合計+一定期間の値下がり幅の合計)×100」で求められます。

RSIの計算式

具体的に解説するために実際のドル円の終値を使用してRSIの値を求めていきます。以下の表をご覧いただき一定期間を5日間としてRSIを求めていきます

1日目は基準日です。2日目は1日目に対して0.29円値上がりしました。3日目は2日目に対して0.43円の値上がしました。そして4日目は3日目に対して1.88円値下がりしました。同様にして5日目と6日目の変動幅も求めていきます。

2日目から6日目までの5日間の値上がり幅、値下がり幅の合計を求めると、値上がり日は5日間のうち3日間で合計1.09円。値下がり日は5日間のうち2日間で合計2.61円。これを先ほどの計算式に当てはめるとRSIの値は35.5となります。値上がり幅が大きければRSI値が大きくなり、値下がり幅が大きければRSI値が小さくなります。

RSIを求める表 RSIを求める計算

以下からは値上がり幅の合計が大きかった場合と、値下がり幅の合計が大きかった場合にRSIの値がどのようになるかを紹介します。

値上がり幅の合計が大きかった場合の例として仮に「値上がり幅の合計=5.21円、値下がり幅の合計=0.25円とするとRSI値は95.4」になります。値下がり幅の合計が大きかった場合の例として仮に「値上がり幅=0.25円、値下がり幅=5.21円とするとRSI値は4.6」になります。

つまり値上がり幅の合計が値下がり幅の合計より大きければRSI値は50より大きくなり、逆に値下がり幅の合計が値上がり幅の合計より大きくなればRSI値は50より小さくなります。ちなみに一定期間において全ての日が前日終値より値上がっていればRSI値は「100」になり、逆に全ての日が前日終値より値下がっていればRSI値は「0」になります。

値上がり幅が大きいRSI 値下がり幅が大きいRSI

MT4に導入できるRSIのEA

RSIは自動売買ソフトであるEAにも良く組み込まれているテクニカル指標で、特にエントリー時の条件にRSIが組み込まれます。当社で作成しているEAにもRSIを組み込むことがあります。独自に作成するEAにRSIを組み込みたい場合は、他のテクニカル指標との相性問題が発生しないかを確認することをお勧めします。

RSIは裁量トレード(手動取引)をおこなう方にも、EAトレードをおこなう方にも使いやすく、効果の高いテクニカル指標となります。このページ訪問をきっかけに当社で無料配布しているMT4で使えるEAを是非取得してみてください。

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