3月は年度末ということもありレパトリエーションによる円高がおこりやすい月でした。
結果的には3月の始値は119.7円、終値が120.1円ほどでわずかに円安状態。
それでも中旬から下旬にかけては最大で3円ほど円高になる場面もありましたので少なからず影響はあったのかもしれません。
3月当初の円安は好調な米雇用統計の結果を受けたものです。
ただし内容的には平均時給、労働参加率は低迷した状態で、決定的に良好という内容ではありません。
実際その他のアメリカ経済指標は、お世辞にも強い内容とは言えず、信頼性に乏しい状態です。
アメリカ長期国債の利回りも低下する場面が目立ちました。
3/19のFOMC後のイエレン議長会見でも、インフレ見通しと経済見通しが引き下げられ、輸出の伸びの鈍化について言及されました。
この発言をうけて、早期の利上げ期待は一気に後退したことで、その後のドル売りにつながりました。
それでも市場では利上げ期待は失われておらず、今後も大きな円高には繋がりにくいと思われます。
4月は3月同様にドル円は底堅く上値が重い展開になる可能性が高いのではないでしょうか。
注目はもちろん米雇用統計を筆頭に、各国の要人発言です。
日本においては統一地方選挙を控えていますので4月は大きな動きはないでしょう。
ただ、3/27に発表された全国消費者物価指数(コアコアCPI)は前年同月比2.0%となり、消費税増税の影響分と推測される2%分を除くとほぼゼロ状態になっており、今後再びデフレ状態になる可能性があります。
それを考えると5月以降の追加緩和の可能性についても考えなければなりませんが、追加緩和のデメリットもあり、板ばさみの状態がつづくでしょう。
とにかく、いつサプライズ発言があってもおかしくない状態ですから、要人発言時は今後も要注意です。