17日、日銀が発表した4月の国内企業物価指数は市場予想を上回る伸びを示しました。前年同月比は3月に引き続きの上昇で、ここにきてようやく日本の経済も回復の兆しを見せ始めたようです。また同日発表された米国5月NAHB住宅市場指数は大半の建設資材が供給減少やコスト上昇に見舞われているにもかかわらず4月と同水準を維持しており安定状態にあります。
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日本 4月企業物価指数
発表した4月の企業物価指数(企業の間で取引される物の価格を示す指数)の速報値は103(2015年の平均を100とする)で前年同月比+3.6%と予想値の+3.1%を上回る結果となりますた。この大幅な上昇は2014年9月以来のものです。3月も+1.2%(速報値は+1.0%)でしたので、これで2か月連続の前年同月比を上回りました。
大幅な伸び率となった要因は昨年4月が新型コロナウイルスの影響で前年同月比マイナスとなっていた反動もありますが、世界各国で新型コロナウイルスのワクチンの接種が進み、景気回復への期待感から原油価格が上昇しため、「石油・石炭製品」や「化学製品」の価格が上がったためだと考えられます。
伸び率を押し上げた主要な製品では、石油・石炭製品が+1.88%、非鉄金属が+0.87%、化学製品が+0.59%となっており、全744品目中で前年比で上昇したのは339品目、下落したのは289品目となっており、日銀の担当者は「価格上昇の裾野の広がりがみられている」というコメントを残しています。
ただ一方で「足元の原油価格はインドでの感染拡大を受けた軟化の動きや、欧米におけるワクチン接種の進展による経済再開の期待から続伸する局面もあり、不確実性が高い状況」ともコメントしており、引き続き感染症が国際商品市況と国内需給を通じて企業物価に与える影響を見極めたいとしております。
米国 5月NAHB住宅市場指数
NAHB住宅市場指数は米住宅建築業者協会(NAHB)が発表する住宅建築業者の今日景況感を示す指数で、50を上回れば建築業者が明るい見通しを持っていることを示します。
5月のNAHB住宅市場指数は83で4月と同水準で市場予想値とも一致しました。最近の建築資材やコストの高騰に見舞われているにも関わらず安定した水準を維持している背景には、歴史的にも低い住宅ローンに支えられ、コストの上昇分と相殺される形になり、トータル価格が抑制されている事情があります。