今週はなんと言っても、8/11~8/13の3日間連続で行われた、人民元切り下げが話題の中心になりました。
人民元の切り下げとは、簡単に言うと意図的に元を弱い通貨にし輸出益を得ようとする行為です。
方法は為替介入です。
中国は通常から為替介入により対ドルレートをコントロールしており、実質的にはドルペッグ制度を導入しております。
普段は貿易黒字分だけ米ドルを購入して元高になる分を相殺していますが、今回はそれを越えるドル購入を実施し、元を切り下げたようです。
いろんなメディアでも言われているように、中国の経済状況がそれだけ悪化している状況になってきているのでしょう。
こういった為替介入によるドルペッグは中国やインドが行っています。
一方、中東諸国や香港が行っているドルペッグはアメリカとの金利連動によるものです。
為替介入は短期間で輸出利益を上げられるというメリットがある反面、デメリットもあります。
為替介入によりレート操作をしてるため、大量のドルを保有することになります。
通常は国債購入によるものなので、大量のアメリカ国債を保有すると言う事です。
現在のところ中国の物価上昇率は、アメリカの国債利回りよりも高いので、将来的には元本割れになる可能性が高くなります。
また市場への資金流通過多になる可能性もあり、そうなると実体経済にそぐわないインフレが進み元本割れが加速します。
つまり為替介入によるドルペッグは、目先の利益のために将来的な負債をどんどん増やしているのと同じことです。
今は中国の経済成長による購買力は、世界経済の支えになっていますが、その歪はどんどん増してきています。
そしていつか必ずそれは、マイナスの反動として世界経済を襲います。
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