FXにおける平均足とは
平均足はその形がコマに似ていることから「コマ足」とも呼ばれるテクニカル指標で、株式トレードやFXトレードで良く使用されるテクニカル指標です。平均足はローソク足と同じで日本で生まれたテクニカル指標ですが、海外でも平均足は人気でMetatrader4(MT4)などのチャートシステムにも「Heikin-Ashi」として標準装備されているものが今や一般的となりました。
平均足はローソク足と同じく日本で生まれたテクニカル指標だけに見た目もそっくりで、平均足もローソク足と同様に「実体」と「ヒゲ」で作られています。しかしそれらの意味は異なっています。平均足はローソク足よりもトレンドが分かりやすいというメリットもあり人気のあるテクニカル指標ですので、今回はローソク足との違いも含めて説明してまいります。
ローソク足についてご存知ないかたは以下のページで詳細に説明しておりますので先にご覧になってください。
なお、当社はMT4 EA開発の専門業者です。当社のMT4 EAにはある理由から平均足を使用したものはございません。その理由はこのページの最後の「MT4 EAと平均足」の項目でご説明しております。しかし当社のMT4 EAは平均足に変わる別な手法で高精度なFXトレードを実現しておりますので、ご興味のあるかたは是非、当社のMT4 EAを使用してみてください。すべてのMT4 EAが無料でダウンロードできます。
ローソク足と平均足の違い
それではローソク足と平均足の違いについてご説明します。ローソク足と平均足の形は非常によく似ていますが内容が異なります。とはいえ平均足はローソク足のデータを利用して作られていますので、まずは簡単にローソク足のおさらいからしてみましょう。 ローソク足は一定期間の「始値」「高値」「安値」「終値」の四本値であらわされます。それぞれのローソク足のどこを意味しているのかは以下の画像をご覧ください。
終値が始値よりも高い「陽線」と終値が始値よりも安い「陰線」がありますが、始値の位置と終値の位置が逆になるだけでどちらも構成は同じです。
ローソク足の構成が分かったところで、平均足の構成ついてご説明します。平均足にもローソク足と同じく「始値」「高値」「安値」「終値」が存在します。
平均足の「高値」と「安値」は計算が不要ですが、「始値」と「終値」は簡単な計算が必要ですので、その計算方法をご説明します。
平均足の始値と終値の計算には二日間のローソク足のデータ(四本値のデータ)が必要です。便宜上1日目のローソク足は1月1日のもので、2日目のローソク足は1月2日のものだと仮定します。以下の画像がこの二日間のローソク足だったとします。
上の二日間のローソク足のデータを使用して1月2日の平均足を作成してみます。計算しなければならないのは以下の二つです。
A → 1日前(1月1日)の始値と終値の平均値
B → 当日(1月2日)の四本値(始値・安値・高値・終値)の平均値
まずはAを計算してみます。
A = (100円 + 102円) ÷ 2 = 101円
Aの計算の結果は「101円」となりました。このAの計算結果が平均足の「始値」になります。
次にBを計算してみます。
B = (100円 + 102円 + 104円 + 106円) ÷ 4 = 103円
Bの計算の結果は103円となりました。このBの計算結果が平均足の「終値」になります。
このAとBの計算結果のどちらが高いかで平均足の「陽線」と「陰線」が決まります。どのように決まるかは以下をご覧ください。
・Aの金額よりBの金額が高い(A < B)場合は終値が始値よりも高い平均足なので「陽線」
・Aの金額がBの金額より高い(A > B)場合は始値が終値よりも高い平均足なので「陰線」
ということになります。
今回はA(始値)の金額よりもB(終値)の金額の方が高かったのでA<Bということで陽線の平均足ということになります。
それでは先ほどの計算結果をもとにして平均足を作成してみます。以下の画像をご覧ください。
平均足の実体部分(赤の四角の部分)の下側は先ほど計算したAの「101円」になります。上側はBの「103円」になります。
あとは画像アの高値部分と画像イの安値部分ですが、ここは計算する必要はなく当日(1月2日)の高値と安値がそのまま入ります。1月2日の高値は「106円」で安値は「100円」でしたのでこの金額をそれぞれ入れ込みます。以下の画像をご覧ください。
これで平均足は完成です。ここまで色々とご説明しましたが、平均足を簡単に言えば「平均足の実体部分は、2日間のローソク足のデータの平均値で作られている」ということになります。平均値で作られているから「平均足」と呼ばれていることが理解できるかと思います。
平均足の特徴
平均足はいくつかの特徴がありますが、今回はFXトレードに役立てられる2つの特徴に絞ってご説明します。その特徴は以下のとおりです
1.トレンドの継続が分かりやすい。
2.ローソク足と平均足ではヒゲの意味が違う。
これらを順番に説明してまいります。
1つ目は、平均足はトレンドの継続が分かりやすいという特徴です。分かりやすくするために同じ期間のローソク足チャートと平均足チャートを比較してみましょう。まずはローソク足チャートからです。
画像の黄色の枠で囲った部分は下降トレンドになっていますが、陽線と陰線がゴチャゴチャと混ざっていてトレンドが継続しているのかどうか分かりにくいです。それでは次に同じ期間の平均足チャートをご覧ください。
ローソク足とは異なり平均足ではトレンドが継続中は同じ色の平均足が出現し続けていて、トレンドの継続が視覚的に非常に分かりやすくなっているのが特徴です。
2つ目はローソク足と平均足ではヒゲの意味が違うという特徴です。以下の表にローソク足と平均足のヒゲの特徴をまとめました。
ローソク足では長い下ヒゲが出現すると「強い上昇力」、長い上ヒゲが出ると「強い下降力」を意味しています。
いっぽう平均足はローソク足の全く逆の意味になります。長い下ヒゲは「強い下降力」、長い上ヒゲは「強い上昇力」となります。
それではまた同じ期間のローソク足と平均足で見較べてみましょう。まずはローソク足からです。
画像の黄色枠は上昇トレンドが出ていますが、ところどころに長い下ヒゲが出ているローソク足があり「強い上昇力」が示されています。しかしそれも所々出現しているにすぎず分かりづらいです。次に同じ期間の平均足を見てみましょう。
平均足の方は全体的に上昇局面では長い上ヒゲが出ており「強い上昇力」が示されているのが分かりやすくなっています。そしてよく見ると平均足の中でも長い上ヒゲだけのものや、上ヒゲと下ヒゲが混在したもの、そして下ヒゲだけのものも見られます。平均足の場合、これらにも意味があります。平均足のヒゲの特徴を以下にまとめましたのでご覧ください。
先ほどご説明した通り「長い上ヒゲだけで下ヒゲの無い」平均足の陽線は特に強い上昇力を示し、「長い下ヒゲだけで上ヒゲの無い」平均足の陰線は特に強い下降力を示します。では上ヒゲと下ヒゲが混在した平均足はというと、陽線の場合は「弱い上昇力」、陰線の場合は「弱い下降力」を示しています。
長い上ヒゲだけの陽線が続いた後、上ヒゲと下ヒゲの混在した陽線が出現したら、「そろそろ上昇トレンドが終わるかも」というサインになります。逆に長い下ヒゲだけの陰線が続いた後、上ヒゲと下ヒゲが混在した陰線が出現したら、「そろそろ下降トレンドが終わるかも」というサインになります。
平均足はトレンドの継続性が分かりやすいだけでなく、ヒゲの特徴を知ることでトレンドの強さも判断しやすいのでFXトレードの強い味方になることでしょう。
平均足を使用したFXトレード
それでは平均足を利用したFXトレードの一例をご紹介いたします。今回は平均足でのFXトレードの精度をあげるために、もう一つRSIというテクニカル指標を合わせて利用します。RSIについては以下で詳しく説明しておりますのでご存じない方はご覧ください。
まずは買いポジションの取り方と決済のやり方をご説明します。それでは以下のチャートをご覧ください。
買いポジションを保有するエントリー条件ですが以下の二つの条件を満たした場合にエントリーします。
1.上ヒゲだけの平均足の陽線が出現
2.RSIが60以上
上ヒゲだけの平均足の陽線はさきほどご説明したように「特に強い上昇力」をもった平均足でした。それに加えてRSIは上昇トレンド中、60~100のエリアに留まるという特徴があります。この二つの条件を満たせば強い上昇トレンドに入った可能性が高くなります。
無事に上昇トレンドに入るとトレンド中に上ヒゲと下ヒゲが混在した陽線や平均足の陰線が出現することがあります。これらは本来、上昇力が弱まったりトレンドが終わったことを示すものですが、RSIが60以上のエリアにある限りは決済せずに買いポジションをキープします。これはさきほど述べた「RSIは上昇トレンド中、60~100のエリアに留まる」という特徴を利用したものです。
どんなトレンドにも必ず終わりがおとずれます。以下の二つの条件を満たした場合は買いポジションを決済します。
1.平均足の陰線が出現
2.RSIが60以下
この二つはどちらも上昇トレンドの終わりを示しています。これで平均足を使用した「買い」のFXトレードは終了です。
次に売りポジションの取り方と決済のやり方をご説明します。それでは以下のチャートをご覧ください。
売りポジションを保有するエントリー条件ですが以下の二つの条件を満たした場合にエントリーします。
1.下ヒゲだけの平均足の陰線が出現
2.RSIが40以下
下ヒゲだけの平均足の陰線は「特に強い下降力」をもった平均足です。RSIは下降トレンド中、0~40のエリアに留まるという特徴があります。この二つの条件を満たせば強い下降トレンドに入った可能性が高くなります。
上昇トレンドでのトレードと同様にトレンド中に上ヒゲと下ヒゲが混在した陰線や平均足の陽線が出現することがありますがRSIが40以下のエリアにある限りは決済せずに売りポジションをキープします。
そして以下の二つの条件を満たしたら売りポジションを決済します。
1.平均足の陽線が出現
2.RSIが40以上
この二つはどちらも下降トレンドの終わりを示しています。これで平均足を使用した「売り」のFXトレードは終了です。
MT4 EAと平均足
平均足はテクニカル指標ですので平均足を使用したMT4 EAを作成することは可能です。しかしどちらかというと平均足は視覚的にトレンドをとらえる事に優れているテクニカル指標ですので、MT4 EAによる自動売買よりも裁量取引に向いているといえます。
また通常のテクニカル指標には計算する期間を変更したり計算方法を変更する「パラメーター」と呼ばれるものがあり、相場の状況やトレード手法によって最適なパラメーターを設定するといったことが可能ですが、平均足にはパラメーターは存在しないため臨機応変な設定変更ができないというデメリットがあります。
このページの最初で当社の開発しているMT4 EAでは平均足を使用していないと申し上げましたが、以上のような理由からです。しかし平均足よりもさらに高度で複雑なトレンド解析を行うことで、より精度の高いFXトレードを実現しています。
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