FX取引時間帯別の市場の特徴

2018年07月13日

FXの市場は24時間開かれていますが、取引時間帯別に市場の特徴があり、それぞれの時間帯に合った取引手法も存在しています。例えば、自分の取引手法がその時間帯に合っていない場合は、損失をこうむる恐れもありますので、今回はFX市場のそれぞれの取引時間帯別の特徴と、おすすめできる取引手法について説明していきます。

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FX市場の種類と取引時間帯

FX市場は取引時間帯に4つの種類に大きく分かれています。それは「豪州市場」・「アジア市場」・「欧州市場」・「米国市場」です。

なぜ時間帯によって市場を分けて考えられるのかというと、FXでは各国ごとの通貨の取引がおこなわれているからです。実際に通貨の取引は金融関係の企業が主におこなっていますが、各国の金融企業の営業時間帯は主に9時から18時であり、この金融企業の営業時間帯が各国の時差によりずれていくので市場もそれにつれてずれていくのです。

例えば日本時間の9時に日本の市場は開きます。米国の市場も米国時間の9時に開きます。米国と日本の間には時差があり、米国の9時は日本時間では22時になりますので、米国市場は日本時間では22時からということになります。

下の表は各主要国の9時~18時を日本時間と比較したものです。

tradetime1

各取引市場の時間帯を色分けしました。この表で見ると豪州市場は日本時間で6時~15時、アジア市場は9時~19時、欧州市場は14時~翌2時、米国市場は22時~翌7時になります。

ただし、これは10月~翌3月までの時期です。3月~10月までは欧米諸国は夏時間(サマータイム)の期間になりますので、アジア市場以外の各取引市場の時間帯は日本時間で1時間早まります。

また表を見ると、取引市場の時間帯が重なる部分があります。

9時~17時 → 豪州市場とアジア市場
14時~17時 → 豪州市場とアジア市場と欧州市場
17時~19時 → アジア市場と欧州市場
22時~翌2時 → 欧州市場と米国市場

これらの時間帯は取引量が多くなり値動きが大きくなる可能性があります。特に欧州市場と米国市場は大きな市場なので、この市場が重なる22時~翌2時は、1日の中で最も取引量が多く値動きも大きくなりやすくなります。

豪州市場の特徴と取引手法

豪州市場は主にニュージーランドとオーストラリアによって成り立っています。その取引時間帯は日本時間で6時~17時(夏時間5時~16時)です。

豪州市場は市場参加者が極めて少なく、特にアジア市場が開始される9時までは取引量も値動きも小さくなります。

値動きが小さな相場では決まった値幅の中で動くことが多くなりますので「直近の高値付近で売りエントリー」または「直近の安値付近で買いエントリー」といった取引手法が有効になります。

それでは豪州市場で移動平均線を利用した取引手法を紹介します。下の画像をご覧ください。

tradetime2

赤の縦線が豪州市場の開始で、チャート上の赤のグラフ線が移動平均線(期間10)です。チャート上に赤の横線が2本引かれていますが、上の横線が「直近高値ライン」、下の横線が「直近安値ライン」です。値動きが小さいときはこのラインの値幅で動きやすくなります。

豪州市場開始後に(1)直近高値ライン付近で(2)移動平均線を下抜きました。この後、下方向に動くことが予想できますので「売りエントリー」を行います。

その後利益が出たところで(3)移動平均線に到達しますが、この時に決済を行います。

今度は「A」のところ、直近安値付近で移動平均線を上抜きます。この後上方向に動くことが予想されますので「買いエントリー」行います。その後「B」の利益の出たところで移動平均線に到達したので決済を行います。

狭い値幅の中で動くので、それぞれ大きな利益は得られませんが、これを繰り返すことで小さな利益を積み重ねることが可能です。

ただし、豪州市場は市場参加者が少ないだけに、ちょっと大きな取引があると急激な値動きが発生してしまいます。それに備える為に損切だけはキチンと行わないといけません。

損切は売りエントリーの時は直近の高値を超えた場合、買いエントリーの時は直近の安値を超えた場合が良いでしょう。

アジア市場の特徴と取引手法

アジア市場は主に日本と香港・シンガポールによって成り立ちます。その取引時間帯は日本時間で9時~19時です。日本・香港・シンガポールは夏時間を実施していないので1年を通して時間帯は変わりません。

アジア市場はほとんどの時間帯で豪州市場と重なりますので、豪州市場よりも取引量も、値動きも若干大きくなります。

しかし、その増加量はそれほど大きくないため基本的な特徴は豪州市場と同じです。そのため取引手法も同じ手法が有効と考えて良いでしょう。

またアジア市場と欧州市場が重なる時間帯(14時~19時)がありますが特に15時頃(夏時間14時頃)はEU加盟国の経済指標が発表されることが多いため、相場が荒れやすくなります。この時間帯は注意が必要です。

欧州市場の特徴と取引手法

欧州市場は主にロシアを含むEU加盟国によって成り立ちます。その取引時間帯は日本時間で14時~翌2時(夏時間13時~翌1時)です。

欧州市場が始まると、為替市場で最も取引量の多いユーロの動きが活発になります。注意が必要なのは欧州各国の経済指標が発表される時間帯です。その中でも特に注意が必要なのはECB(欧州中央銀行)およびBOE(英国中央銀行)の金融政策発表時およびその総裁発言時です。総裁発言は金融政策が発表されて30分ほど後に発表されますのでセットで考えた方が良いでしょう。

これらは相場に大きな影響を与えることが多く、相場の乱高下を引き起こしやすくなります。発表直前のポジション保有はやめておき、発表後に相場の動きが落ち着いた事を確認してから取引を開始した方が良いでしょう。

また欧州市場では相場が一方的な値動きになる「トレンド」と呼ばれる状態になりやすいので、その動きの方向に乗る取引手法が有効です。

それでは欧州市場で移動平均線を利用した取引手法を紹介します。下の画像をご覧ください。

tradetime3

図は欧州時間のチャートです。チャート上の赤のグラフ線が移動平均線(期間10)です。まず(1)で直近の高値を終値が超えましたので、上昇トレンドが発生する可能性があります。ここで「買いエントリー」を行います。この時の注意ですが、買いエントリーの場合は移動平均線が上向いていること、逆に売りエントリーの場合は移動平均線が下向いていることを確認してください。

上の図の場合は(1)の買いエントリー時には移動平均線が上向いているのでエントリー可能です。

その後、値上がり(2)の時点で移動平均線に到達しましたので決済を行います。

そしてその決済後に(3)で再度直近の高値を終値が超えましたので買いエントリーを行います。この時も移動平均線は上向いているのでエントリー可能です。その後(4)で移動平均線に到達したので決済を行います。

この取引手法は、強いトレンドが発生すると100pips以上の利益が得られる場合もあります。ただしトレンドが弱ければ、エントリー後にすぐに移動平均線に到達してしまい、損切を繰り返すことも多くあります。

大きな利益が得られる可能性がある反面、勝率はそれほど良くない手法ですので、エントリー時のロット数を小さくするなど資金管理が大切です。

米国市場の特徴と取引手法

米国市場はその名のとおり米国の取引市場によって成り立ちます。その取引時間帯は日本時間で22時~翌7時(夏時間21時~翌6時)です。

米国の経済動向や政治動向は為替市場に最も影響を与えるため、米国市場は最も値動きが激しくなります。特に注意が必要なのは雇用統計発表時や米国の政策金利が発表されるFOMC発表時です。これらが発表される時は、わずか1~2分の間に数百pips以上も相場が動くことがあります。

これらの経済指標の発表時にポジションを保有していて、相場が逆方向に動いてしまうと非常に大きな損失が発生するおそれがあります。そのため通常はこれらの発表時にはポジションを持たずに様子を見ることが重要です。

米国市場も欧州市場と同様に値動きが一方的になるトレンドが発生しやすい時間帯ですので、米国市場で有効な取引手法も欧州市場と同じです。

MT4 EAと各取引市場の関係

MT4 EAはプログラムされたルールの中で自動的に取引を行うツールですので、一般的なMT4 EAは得意とする相場、苦手とする相場があります。

たとえばトレンド相場が苦手なMT4 EAもあれば、逆にトレンド相場を得意とするMT4 EAもあるでしょう。

そのためトレンド相場が苦手なMT4 EAならば豪州市場やアジア市場のみで稼働するようプログラムされていたり、トレンド相場を得意とするMT4 EAならば欧州市場や米国市場でのみ稼働するようプログラムされていたりします。

当社が開発しているMT4 EAも取引時間を絞ったり、あるいは時間帯や相場の状況により、自動的に取引ロジックを切り換えるプログラムがなされており、その時々に最適な手法で取引が行われるようになっております。

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