FXトレードにおける円高と円安

2018年05月07日

FXトレードをしていると円高や円安という言葉を頻繁に耳にすると思います。円高と円安という言葉の意味を知らなくてもFXトレードはおこなえますが、日ごろの経済ニュースを読み解きながらFXやMT4によるEAトレードをおこなえばチャンスを掴んで有利な取引を実行できる可能性も高まるため、円高と円安の意味を理解することはとても重要です。

円高と円安とは

円高と円安とは、日本の通貨である円の価値が他国の通貨よりも高くなったのか、安くなったのかを表す時に使用する単語です。日本円の価値が他国の通貨よりも高くなれば円高と言われ、反対に安くなれば円安と言われます。

日本人に馴染みの深いアメリカドル(USD)を例にあげて説明してみます。1年前は1ドル100円で現在は1ドル80円だとします。つまり1年前は1ドルを買うのに100円必要だったのに対して現在は1ドルを80円で買うことができるようになったので、1年前よりもドルの価値が安くなり円の価値が高くなったことから「円高」になります。

次に1年前は1ドル100円で現在は1ドル120円だった場合を例に解説します。1年前は1ドルを買うのに100円必要だったのに対して、現在は1ドルを120円で買うことになるので、1年前よりもドルの価値が高くなり円の価値が安くなったことから「円安」ということになります。

FXトレードをおこなう上で、円高なのか円安なのかを見極めていくことはとても大切なので覚えておくことが大切です。

円高と円安とは

円高をドル安と考えるのは正しいのか?

さきほどアメリカドルに対して日本円の価値が高くなれば円高になると説明をしました。これは同時にアメリカドルが日本円の価値よりも下がったことも意味しますので、アメリカドルから考えるとアメリカドル安となります。

上記の考え方は正しいのですが、経済ニュースなどでは円高とドル安という言葉を使い分けて解説することが多いです。例えば2008年にアメリカで起こったリーマンショックでは、アメリカの大手投資銀行であるリーマン・ブラザーズが経営破綻したことをきっかけに、アメリカ経済への不安が拡大して、世界経済に大きな影響を与える経済危機が起こりました。

リーマンショック時のアメリカドルと日本円の関係をあらわしたMT4のチャートは以下の通りとなりますが、リーマンショックが起きるまでは1ドル110円ほどでしたが、一気に1ドルが90円に割り込みました。このMT4のチャートを見ると、ドルが安くなり日本円の価値が上がっているため円高という表現になるのですが、実際には日本経済が急激に上向いて日本円の価値が上がったのではなく、リーマンショックによってアメリカ経済が急激に下落したことでドルの価値が下がったため、経済ニュースでは「リーマンショックによる円高」と言われることはなく「リーマンショックによるドル安」などと表現されました。

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このように経済ニュースを読み解くことやFXトレードの分析をおこなう場合には、円高という表現が使われているのか、ドル安という表現が使われているのかに注目をしてみると、現在の為替相場がどちらの国や地域に原因があり値動きしているのかが分かるため、ニュースの見方や為替相場の考え方が変わってきます。

現在は円高なのか円安なのか?

FXトレードや外貨預金をしている方から「現在の為替相場は円高なのか円安なのかを知りたい」ということを多く質問されることがあり、この質問に回答することはとても難しいのが事実です。回答することが難しい理由は、円高や円安を判断するためには比較する時期が必要となるからです。

例えば、現在1ドルが100円だとします。リーマンショック時は1ドルが90円を割っていましたので、リーマンショックの時期と比較すると現在は円安ということになります。しかしリーマンショック以前は1ドルが120円を超えていた時期もありますので、その時期と比較すると現在は円高ということになります。このように現在が円高なのか円安なのかは、比較する時期があって初めて分かることなので、円高なのか円安なのかを伝えることは中々難しいとお考えください。

現在は円高なのか円安なのか

FXトレードに良いのは円高か円安か?

FXトレードでは円高でも円安でも収益機会の面でそれほどの差はありませんが、必要となる証拠金に注目すると円安となった方がメリットがありますのでその理由を解説します。

まず、ドル円のレートが100円の時にレバレッジ10倍で1万通貨購入するために証拠金がどれだけ必要になるかを計算してみます。証拠金の計算式は、「(為替レート × 購入する通貨量)÷ レバレッジ」となりますので、証拠金は10万円必要ということが分かります。

(100円 × 1万通貨) ÷ 10倍 = 10万円

次にドル円のレートが90円の時にレバレッジ10倍で1万通貨購入するために証拠金がどれだけ必要か計算すると証拠金として9万円が必要なことが分かります。つまり、同じ通貨量を購入するなら円安のほうがより少ない証拠金で購入できるのです。

(90円 × 1万通貨) ÷ 10倍 = 9万円

上昇相場はゆっくり、下落相場は急激に動くって本当?

FXトレードの世界では、上昇相場はゆっくり動き、下落相場は急激に動くといわれます。例えば2007年のサブプライムローン問題から2008年のリーマンショックまで、ドル円相場は123円あたりから75円あたりへと50円近く下落しました。それでは下落相場(円高相場)になると為替相場が急激に動くのかを、MT4のチャート画像をみて確認していきます。

以下MT4のチャート画像は1996年から2021年9月までのドル円の値動きです。青矢印が下落(円高)、赤矢印が上昇(円安)を示していますが、下落時も上昇時も相場の勢いに違いはほとんどありません。このように下落相場だけが急激に動くという事実はないことから、不安な大きな出来事が起こると悪いイメージが強く残ってしまうのだと思います。

また、MT4のチャート画像の白矢印の値動き部分はリーマンショック発生時のタイミングになります。相場が大きく下落した後に急激な円安方向へと上昇しました。何か大きな出来事があって急激に円安方向に進んだのではなく、リーマンショックの問題が一段落したので相場が戻ったという値動きです。

このように大きな出来事もなく急激な上昇相場となったときのことはほとんどイメージに残りません。こういったことの積み重ねが「下落相場は急激に動く」といわれるゆえんになっています。

下落相場は急激に動く?

円高と円安を判断するMT4専用のEA

円高や円安の状況を判断しながらFXトレードをおこなうには、それなりの知識と経験が必要となり、FXの初心者の方にはおすすめできないトレード手法となります。

円高や円安の状況を判断することに自信のない方は、MT4に導入できる自動売買ソフトであるEAを使ったFXトレードをおすすめします。MT4によるEAトレードでは、インジケーターと呼ばれるツールを活用してテクニカル分析(相場分析)をおこない、円高や円安の方向性の強さを自動判別して的確なタイミングでFXトレードをおこなうことからMT4でのEAトレードおこなえば円高や円安のことは考える必要がありません。テクニカル分析の概要は以下のページで解説していますのでご覧ください。

ファンダメンタルズとテクニカル分析

なお当社はMT4でのEA開発を専門に手掛けている会社ですが、EA開発時は円高や円安だけでなく様々な通貨の価値判断をおこないながらFXトレードをおこなっています。当社がMT4で作成している全てのEAは無料でダウンロードできますので、ページ訪問をきっかけにEAを取得していただけると幸いです。

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