優良EAの見分け方 バックテスト期間と精度編

2013年10月06日

前回の続きです。バックテストレポートはこちら

使用している時間足とバックテスト期間は?

レポートの③「Period」(または「期間」)になります。

どの時間足のチャートにEAを設定するのか、そしてどの期間のバックテストをしたのかを示しています。

5 Minutes(M5)となっているのはEAを5分足のチャートに設定するということです。

ここで勘違いしてはいけないのは、5分足チャートにEAを設定するからといって、EAの売買ロジック(売買手法)が5分足のみを使っているわけではないということです。

たいていのEAは複数の時間足のテクニカル指標データを使用して売買ロジックを構成しています。

ですので、例えばEAの購入後、自分でバックテストや最適化をするさいに、EAの使用足が5分足だからといってバックテスト用のヒストリカルデータを5分足だけ用意しても、正確なバックテストはできません。

EAの良し悪しの見分け方には直接関係ない部分ですが、EAは複数の時間足を使ってロジックが構築されている事が多いということは理解しておいてください。

また、この項目ではバックテストした期間が分かります。

例えば数ヶ月の期間分のバックテストであれば、たまたまその期間だけ成績が良かった可能性があります。

少なくとも直近の2年間ぐらいはさかのぼっている必要があります。

バックテストの精度は?

レポートの④「Model」(または「モデル」)およびレポートの⑤「Modelling quality」(または「モデリング品質」)になります。

レポートの④「Model」はバックテストで使用するデータ量を決定するもので、3つのモデルがあります。

【1】. 「Every tick」(または「全ティック」) = 全てのティックを使用してバックテストします。

【2】.「Control points」(または「コントロールポイント」) = バックテストで使用する時間足のひとつ下の時間足まで使用します。

【3】.「Open prices only」(または「始値のみ」) = バックテストで使用する時間足の始値のみ使用します。

最も正確にバックテストできるのは、【1】の「Every tick」(全ティック)になります。

【2】の「Control points」ですが5分足や1分足で稼動させるEAならば、これでいいだろうと思われるかもしれませんが先にお話ししたように、EAは稼動させる時間足以外の時間足を使っていることが多いです。

5分足で稼動させるEAでも、プログラムの中では30分足や1時間足などの長い時間足のデータを必要としているケースがあります。

そういったEAでは「Control points」では正確なバックテスト結果は得られません。

【3】の「Open prices only」は本来のバックテスト結果とはかけ離れた結果を出す場合がほとんどです。

一つの時間足の初値だけを利用したEAならばこのモデルでも良いですが、そういったEAは希少でしょう。

結論を言うと、購入しようと思っているEAのバックテストレポートでは【1】の「Every tick」でバックテストをしている事が条件になります。

それと合わせてバックテストレポートの⑤「Modelling quality」(「モデリング品質」)を見る必要があります。

Modelling qualityは、「検証期間のヒストリカルデータがきちんと揃っているか」を判断するものです。

90%が上限になりますので、かならず「90%」となっていることを確認してください。

この数値が90%小さい、または「n/a」となっている場合は、このバックテスト結果は信頼できないものだと判断してください。

なお、この数値は「Every Tick」でバックテストした場合にしか表示されず、他のモデルでバックテストした場合は「n/a」となります。

これは、「Control points」や「Open prices only」でバックテストしたものは、もともと全てのヒストリカルデータを使用せずにバックテストした信頼性に乏しいものだからです。

優良EAの見分け方 時間足の整合性と利益編

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