FOMCでのFXトレードとEA

2017年05月19日

FOMCとは、アメリカの金融政策を決定するために開かれる会合のことであり、現在の景況判断と政策金利の方針が発表されます。市場予測に反する結果となれば世界の金融マーケットに影響を及ぼして株価や為替が大きく変動することがあります。FXトレーダーにもMT4で自動売買をおこなうEAトレーダーにも重要な経済指標となっています。

FOMCの基本概要

FOMC(Federal Open Market Committee)を日本語にすると連邦公開市場委員会となり、FOMCはアメリカの金融政策を決定するために開かれる会合のことを言います。米国の中央銀行にあたるFRBの議長を含む7名の理事とニューヨーク連銀総裁(副議長)、その他11名の地区連銀総裁の中から4名が持ちまわりをし、計12名のメンバーで構成されています。

FOMCは年間8回開催されます。主に政策金利と現在の景況判断と政策決定内容、それに関するFOMCメンバーの政策決定に対する賛否などが記された「声明文」が発表されます。その結果が市場予想と反していれば世界の金融マーケットに大きな影響を及ぼし、株価や為替などに大変動が起こることがありますので、株式トレーダーやFXトレーダーは大注目しています。MT4でのEAトレーダーにおいてはFOMCでのFX取引を控える傾向にあります。

FOMCの基本概要

FOMCでのFXトレードと注意点

FXトレーダーの中にはFOMCの発表タイミングをチャンスと捉えて利益獲得を狙うトレーダーがいます。FOMCで発表される景気判断や今後の政策金利は専門家などがあらかた予測しており為替変動の方向性が見えているため、事前に買いポジションまたは売りポジションを入れて利益を狙うことができます。しかし、FOMCの発表内容が予測とは異なる方向に動けば、事前に入れたポジションに大きな損失が発生することが多くなりますので、事前ポジションを入れてFXトレードをおこないたいという方は覚えておいた方が良いでしょう。FOMCの結果が事前予想の通りになった場合でも、その予測が既に市場に浸透しており為替相場にも織り込み済みであれば、FOMCが発表された直後に利益確定の動きが起こり、為替相場が一気に反発してしまうこともあります。

FOMCの政策金利が発表された後には、アメリカ中央銀行のFRB議長による発言がおこなわれることがあります。FRB議長は、現在のアメリカの経済状況を説明しますが為替相場に非常に大きな影響を及ぼします。FRB議長が発言すると為替相場が乱高下することが多々あるためFOMCの発表が終わった後に、FRB議長による発言があるかもしれないということを忘れずにFX取引を考えていくと良いでしょう。

また、FOMCの発表が終わった3週間後には、FOMCでどのような話し合いがあったかをまとめた議事要旨(議事録)が発表されます。この議事要旨の情報は誰もがキャッチでき、内容次第ではFOMCよりも相場が大きく動くこともあります。例えばFOMCで予想通りの政策金利据え置きだったとしても、3週間後に発表される議事要旨の内容に「実は利上げ賛成の理事が複数名いた」ということが分かれば、一時的に大きなドル買いが入り相場が混乱することがあります。そのためFOMCが終わったら政策金利を気にしなくて良いというのではなくFOMCから3週間後に発表される議事要旨にも注意を払ってFXトレードを考えていくことが大切です。

FOMCでのFXトレードの注意点

FOMCでのFX取引はリスクもありますが、裁量トレーダーとっては利益獲得のチャンスであり稼ぎのタイミングともいえるでしょう。

なおFOMCのような金融会議では誰がどのような発言をおこなったかの詳細が記録された「議事録」というものが存在します。これはFOMCの会議から5年後に一般に公開されます。日本銀行でも金融会議議事録があり、日本銀行の場合は会議から10年後に一般に公開されます。この議事録の内容が、為替相場に影響を与えることはほぼありませんが、興味のある方はFRBのウェブページから見ることができます。

FOMCの議事録

FOMCでのEAトレードと注意点

MT4でEAを稼働させている方はFOMCでのFX取引は避けるべきです。EAトレードはMT4で過去のチャートを分析して、その結果データを参考として未来に起こるチャートの値動きをMT4内で計算しながら予測していき自動売買をおこなうソフトなので、FOMCなど人間の介入によって起こるチャートの値動きには対応することができません。仮にFOMCの発表時にMT4でEAトレードをおこない利益が上がったとしても、データを分析によって利益を獲得したというよりも運良く利益が出たと考えたほうが良いかもしれません。

このようにFOMCの発表前後にMT4を使ってEAトレードをおこなうのはギャンブルに近い行為のため、MT4でEAを稼働させている方はFOMCなどの為替変動が激しく起こるタイミングでは稼働をストップさせるべきです。FOMCと合わせて、米国の雇用統計、ECB政策金利でのEAトレードにも警戒が必要です。重要指標発表の当日はMT4でEAの稼働を停止させるか、MT4のパラメーター設定画面でEAの取引ボリュームを調整するなどしてください。米国の雇用統計の発表前後でのFXトレードについては米国の雇用統計でのFXトレードとEA、ECB政策金利の発表前後のFXトレードについてはECB政策金利発表でのFXトレードとEAのページで詳しく解説しています。

当社では長年に渡って重要指標発表時でのEA稼働について研究していますが、やはりFOMCを含む、為替や株価を大きく動かす要因(ファンダメンタルズ)でのEA稼働は損失を被るケースの方が多くみられます。これは当社がMT4で開発しているEAに限った話ではなく、MT4で使える全てのEAに対していえることです、やはり重要指標発表時でのEA取引は控えた方が良いでしょう。FOMCでのFX取引は裁量トレーダーにとって、リスクはあるが利益獲得のチャンスといえますが、MT4で使えるEAを活用した自動売買トレーダーにとってはデメリットの方が大きいと言えます。

なお、当社がMT4で開発している全てのEAについては無料配布しています。ご興味がある方はぜひ申請画面よりお申込みください。無料EAが途中で有料EAになることもありませんし、使用期間に制限が付いていることもありません。FXトレードを控えるべき重要指標時などの日程や、MT4でのEA設定手順なども、MT4のEA設定マニュアルで詳しく説明しています。是非ページ訪問をきっかけに以下ボタンよりMT4で使えるEAを取得してみてください。

無料EA