中国の不動産危機が深刻化し不安が高まる中、経営危機にある中国恒大集団(エバーグランデ)が、世界最大の債務再編計画の一環として米国で連邦破産法適用を申請しました。
中国は今週初めに、低迷する経済活動の刺激策として、主要な金利を予想外に引き下げる動きを見せ、また月曜日にはプライムローン金利の引き下げも予想されています。しかしアナリストは、経済の下降スパイラルを阻止するためには、これまでの措置が不十分で遅すぎると指摘し、より強力な対策が必要だと指摘しています。
以前は中国最大の開発業者であった恒大は、2021年半ばに流動性の問題に直面し、同国の不動産セクター(国内総生産の約4分の1を占める)で前例のない債務危機の象徴となりました。
同社は米国の破産法第15章に基づく保護を求めています。この法律は米国外の企業が再建中に米国内の訴訟や資産拘束から企業を保護するものです。この措置は手続き上のものと見られますが、これは同社が1年半以上にわたる債権者との交渉を経て再建プロセスの終盤に差し掛かっていることを示唆しています。
エバーグランデは金曜日の提出文書で、同社のドル建て債券はニューヨーク法に従っているため、香港と英領ヴァージン諸島のオフショア債務再編の取り決めスキームの承認を米国の裁判所に求めると述べました。
同社は申請書類の中で、「申請はオフショア債務再編の通常の手続きであり、破産申請は含まれていない」と述べ、引き続きオフショア債務再編を進めていると説明しました。
エバーグランデのオフショア債務再編には、社債、担保、買い戻し義務を含む総額317億ドルが含まれおり、今月末に債権者と再建案について会合する予定になっています。
エバーグランデの経営危機以降、中国の不動産開発業者は相次いでオフショア債務の不履行に陥り、未完成の住宅や未払いの供給業者を放置し、世界第2位の経済大国である中国の消費者信頼感を揺るがしました。不動産投資、販売、新規建設着工は1年以上にわたり減少しています。
不動産危機が及ぼす影響
不動産危機は金融システムへの波及リスクについての懸念を高めており、内外の需要の低迷、工場活動の停滞、失業率の上昇によって既に弱体化している経済に不安定な影響を及ぼす可能性があります。
中国の主要な資産運用会社は一部の投資商品の償還義務を怠っており、流動性危機への警告を発しています。一方、中国ナンバーワンの民間開発会社であるカントリー・ガーデンも、資金不足に陥っています。
資産運用会社の一部門である中栄国際信託有限公司の信託商品に不満を抱く投資家たちは、規制当局に苦情書を提出し、支払いを怠った信託会社への介入を要請しています。
中国の経済成長を下方修正
野村証券は18日、世界の主要証券会社の一部に続いて、今年の中国の成長予測を5.1%から4.6%に下方修正しました。しかし、その成長の多くは新型コロナウイルスの厳しい規制が解除された後の第1四半期に発生した可能性があります。
中国は今年の成長率を5%と目標としていますが、中国政府が支援策を強化しなければ、この目標を達成するのは難しいと、エコノミストたちが警告しています。
中国の経済と資産の困難な状況、そして具体的な景気刺激策の欠如は、世界市場に不安をもたらしており、アジア株は3週連続で下落しました。金曜日には中国の主要株指数1.2%下落し、香港のハンセン指数も2.1%下落しました。