相場の分析方法にはファンダメンタルズ分析とテクニカル分析があります。ファンダメンタルとはfundamental=根本的という意味で、ファンダメンタルズ分析は相場の動きの根本的な原因を分析することです。一方、テクニカルとはtechnical=技術的という意味で、テクニカル分析は、相場の動きそのものを技術的に分析することです。言い換えればファンダメンタルズ分析は「なぜこのように相場が動いているのか」を分析し、テクニカル分析は「どのように相場が動いているのか」を分析します。
ファンダメンタルズ分析をおこなうには、相場が動く原因を知る必要がありますが、テクニカル分析をおこなう場合は、相場が動く原因を知る必要はありません。それはファンダメンタルズ分析が相場に影響を与える根本的な原因をもとにして、将来の相場の動きを予測するのに対して、テクニカル分析は現在の相場の動き自体を分析して、将来の相場の動きを予測するためです。
通常、FXトレードをおこなう際の相場分析にはファンダメンタル分析とテクニカル分析を組み合わせます。ファンダメンタルズ分析で相場の大きな動きを把握し、テクニカル分析でポジション保有や決済のタイミングをはかります。
ファンダメンタルズ分析をおこなうには
ファンダメンタルズ分析をおこなうにはFX相場に影響を与える様々な要因を知る必要があります。FX相場に影響を与える要因は大きく分けて「経済情勢」「需給動向」「政治情勢」の3つがあります。
経済情勢とは、国の経済の状況によって変化するものです。主なものとしては「政策金利」「インフレ率」「GDP」「雇用状況」などです。需給動向とは国の収入と支出の状況によって変化するもので、「貿易収支」「資本収支」などがそれにあたります。政治情勢はその国の政治の方向性です。2016年6月に英国がEU離脱の方向に向かったとき、FX相場が大きく変動したのはこの政治情勢にあたります。
またこれら3つの要因の他にも、その時々によりFX相場に影響を与えるものもあります。例えば原油相場の変動や、戦争や紛争などの地政学的要因、地震などの自然災害などもそうです。
これら様々な要因がお互いに絡み合い、FX相場の長期的な流れを形作っていきます。それはFXチャートを見ると、長期間に渡って相場が一方向に動いていることが多いことでわかります。下の画像をご覧ください。
画像はドル円の日足チャートで、縦の白線は1ヶ月スパンで引かれています。これを見ると下落トレンドが約1年半ほど続き、その後上昇トレンドが1年ほど続いていることがわかります。これは二国間における政治や経済動向が短期的に変化するものではなく、比較的長期に渡って関係性を維持していることが理由です。こういった大きな相場の動きを把握するために、ファンダメンタルズ分析をおこなうことは重要です。
テクニカル分析の目的
テクニカル分析の目的は相場の方向性を確認し、将来の相場の動きを予測することにあります。テクニカル分析は過去の価格データを使用し、現在の相場の状況が「上昇トレンド」なのか「下降トレンド」なのか「トレンドが発生していない」のかを判断します。これらを分析することで、上昇トレンドが発生していたら「買い(ロング)ポジションを持つ」。下降トレンドが発生していたら「売り(ショート)ポジションを持つ」。トレンドが発生していなければ「ポジションを持たない」といったFXトレードの戦略が立てられます。つまりファンダメンタルズ分析での判断が、実際にチャート上で値動きとなって現われているかを確認し、実際のFXトレードに結びつけるのがテクニカル分析の役割なのです。
たとえば、アメリカが政策金利を上げたとします。通常は政策金利が上がった国の通貨は買われますのでファンダメンタルズ分析的には「ドル買い」と判断されます。しかし実際にドルが買われているかどうかは、チャートを見て確認しなければなりません。チャートを見てテクニカル分析をおこない、ドル買いのトレンドが発生しているのを確認してはじめてドル買いのポジションを持つという判断ができるのです。そういう意味ではFXトレードにおいてファンダメンタルズ分析よりもテクニカル分析の方が重要だと言えます。
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