FXにおけるダウ理論とは

2019年05月09日

ダウ理論とは、19世紀後半に活躍したアメリカの金融ジャーナリストであるチャールズ・ダウが提唱した理論で、もともとダウ理論は「株価はすべての事象を織り込む」という思考で株価の将来の値動きを判断するために使用するものですが、FXにも十分応用可能ですので今回は株価を為替レートに置き換えてダウ理論について説明いたします。

本来のダウ理論は以下の6つの理論から成り立ちます。

1. 為替レートは全ての情報を織り込む
2. トレンドには3つの波動がある
3. トレンドには3段階からなっている
4. トレンドは明確な転換シグナルが発生するまでは継続する
5. 平均は相互に確認されなければならない
6. トレンドは出来高でも確認されなければならない

先に述べたようにダウ理論は株の売買の研究から生み出されたものですので、ダウ理論の中にはFXには当てはまらない部分もあります。そこで今回はダウ理論の中でもFXで応用できさらにFX初心者の方でも実際のFXトレードに役立つ「3.トレンドは3段階からなっている」と「4.トレンドは明確な転換シグナルが発生するまでは継続する」という二つの理論に絞って説明してまいります。そして実際にダウ理論を利用したFXトレードの例もご紹介いたします。

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トレンドは3段階からなっている

ダウ理論の基本法則の中にトレンドは3段階からなっているというものがあります。トレンドというのは価格が全体的に上がっている、あるいは下がっている状態のことで、価格が上昇している状態を上昇トレンド、下降している状態を上昇トレンドと言います。

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ダウ理論ではこのトレンドには先行期、追随期、利食い期の3つが存在するとされています。それでは上昇トレンドを例にとって説明いたします。

・先行期 トレンドの開始時期で値動きは緩やかに上昇(下降トレンド時は下降)します。トレードタイミングとしては、このタイミングで買い注文(下降トレンド時は売り注文)を入れます。

・追随期 価格の変動を見て市場参加者たちの心理が変動の方向に追随し始めトレンド重視の投資家の多くが買い(下降トレンド時は売り)を入れ、値動きも加速し始めます。

・利食い期 利食い(決済注文)による反対売買で変動の勢いが無くなり始めて、変動が緩やかになる時期です。

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全てのトレンドにこの3つが明確にあらわれるわけではありませんが、トレンドの構成パターンとして覚えておくと良いでしょう。

トレンドは明確な転換シグナルが発生するまでは継続する

ダウ理論では、「トレンドは明確な転換シグナルが発生するまでは継続する」とされています。

まずはトレンドが発生しているかどうかを確認する必要があります。トレンドを確認するためにはチャート上にトレンドラインを引いてみます。トレンドラインが右上に上がっている状態は「上昇トレンド」です。

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そしてトレンドラインが右下に下がっている状態は「下降トレンド」です。

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このようにトレンドラインを引くことで上昇トレンドなのか下降トレンドなのかを判断することができます。そして、これらのトレンドは転換シグナルが発生するまでは継続します。以下の画像をご覧ください。

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画像のAからBの間は「直近の安値を下回らず直近の高値を上回っている」状態です。この状態は「上昇トレンドが継続している状態」です。

しかし、Cのポイントでは「直近の高値を上回らず直近の安値を下回る」状態になっています。これが「上昇トレンドの転換シグナル」です。上昇トレンドの転換シグナルが出現すると上昇トレンドがひとまず終わったことになります。

次に下降トレンドの転換シグナルです。以下の画像をご覧ください。

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画像のAからBの間は「直近の高値を上回らず直近の安値を下回っている」状態です。この状態は「下降トレンドが継続している状態」です。

しかし、Cのポイントでは「直近の安値を下回らず直近の高値を上回る」状態になっています。これが「下降トレンドの転換シグナル」です。下降トレンドの転換シグナルが出現すると下降トレンドがひとまず終わったことになります。

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ダウ理論でのFXトレード

それではダウ理論を使って実際にFXトレードを行ってみます。以下のチャートをご覧ください。

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まずトレンドラインを引いてみると、右上に上がっていますので上昇トレンドであることが分かります。

画像のAの直近安値を付けた後、Bの直近高値が形成されました。そしてCでまた安値を付けましたが、この安値はAの安値を下回っていません。Cの安値のあと価格は上昇し、DのポイントでBの直近高値を抜きました。

これでダウ理論の上昇トレンド継続の条件である「直近の安値を下回らず、直近の高値を上回っている」が満たされたことになりますので、上昇トレンドは継続すると判断し、ここで買いポジションを持ちます。

それではDで買いポジションを持った後のチャートを見てみます。

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Dのエントリーポイント以降、Eのポイントまではダウ理論の上昇トレンドの継続条件である「直近の安値を下回らず、直近の高値を上回っている」が満たされているので、買いポジションを持ち続けます。

しかしFのポイントで、上昇トレンド転換サインである「直近の高値を上回らず、直近の安値を下回っている」が満たされてしまったので、ここで保有している買いポジションを決済します。

このチャートはユーロドルの日足チャートですが、利益は1000pipsほどになりました。

ダウ理論はエントリー条件と決済条件がハッキリしていますので、FX初心者の方でもトレードに利用しやすいのが特徴です。

さらにFXトレードの中上級者になるとダウ理論を基本として、RSIやRCI、ボリンジャーバンドなどの他のテクニカル指標を自分なりに組み合わせて、さらに精度の高いトレードを行う事もできるでしょう。

MT4 EAとダウ理論

ダウ理論はテクニカル指標ではなく裁量による相場分析手法ですので、テクニカル指標をプログラムに組み込みトレードに役立てるMT4 EAでは使用することができません。

しかし当社が無料でリリースするMT4 EAでは、別の手法により相場分析をおこないトレンドの有無とトレンドの方向性を判断しています。

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