MT4で実行できる全ての注文方法を解説

2019年01月09日

MT4を使えば色々な注文方法でFXトレードがおこなえます。今回はMT4で出来る6つの注文方法、成行、指値、逆指値、OCO、IFD、IFOを解説します。主に裁量トレーダー向けのコンテンツですが、注文方法の使い分けによりリスク回避や利益獲得のチャンスを逃さずにFXトレードをおこなうことができます。EAに関連する注文方法にも少し触れて解説します。

MT4で新規注文画面を表示させる

裁量トレード(手動取引)はMT4で売りや買い注文をおこなうために新規注文画面を表示させる必要があります。以下画像はMT4の新規注文画面であり裁量トレーダーはこの画面から注文をおこなうのが基本です。MT4で新規注文画面を表示させる方法は3つありますのでそれぞれ解説します。

新規注文画面

1つ目の注文画面の表示方法は、MT4のツールバーに表示されている新規注文ボタン(以下画像)をクリックして表示させる方法になります。

新規注文ボタン

2つ目の注文画面の表示方法は、表示チャート上で右クリックをして、「注文発注→新規注文」と進んで注文画面を表示させる方法です。

注文発注→新規注文

3つ目の注文画面の表示方法は、パソコンのキーボードの「F9」ボタンで注文画面を表示させる方法です。

F9ボタンで注文画面を表示

新規注文画面に表示される項目説明

MT4の注文画面に表示される各種項目を解説しますので以下画面の①から⑧をご覧ください。

注文画面の各種項目

①には注文をする通貨ペアが表示されます。MT4でチャート画面を開いている場合は、通常そのチャートの通貨ペアが表示されます。通貨ペアのボックスをクリックすれば他の通貨ペアの設定もできます。

②の数量には発注ロット数が表示され、数量のボックスをクリックすれば発注ロット数を選択できます。数量ボックスのダブルクリックで好きな数値を入力することもできます。

③の決済逆指値(S/L)には損切りしたい為替レートの入力ができます。ボックス右側の「▲▼」または数値のダブルクリックで為替レートを決めることができます。

④の決済指値(T/P)では利益確定したい為替レートの入力ができます。ボックス右側の「▲▼」または数値のダブルクリックで為替レートを決めることができます。

⑤のコメントに文字入力をすると発注ポジションにコメントが入ります。米国雇用統計時の注文で米国雇用統計と入力しておけば、どんな場面でポジションを保有したのかを確認することができます。

⑥の注文種別では成行注文と指値注文が選択できます。⑦の成行売りをクリックすれば即時に成行売りの注文が入り、⑧の成行買いをクリックすれば即時に成行買い注文が入ります。

MT4で成行注文を入れる方法

成行注文とは、為替レートを指定せずに現在の為替レートで売り買いを入れる注文方法になります。以下画像のようにMT4の新規注文画面の①から③の順番で注文をおこなえば、即時にUSD/JPYを発注ロット0.1で成行買いすることができます。

MT4で成行注文

MT4で指値注文を入れる方法

指値注文とは、指定した為替レートで売買をおこなう注文方法のことで、現在の為替レートよりも有利な条件でFXトレードをおこないたい場合に使用します。指値注文はMT4の新規注文画面から通貨ペアと数量を指定した後、注文種別で指値注文を選択するところから始まります。

MT4で指値注文

注文種別で指値注文を選択すれば以下画像のようにMT4の注文画面が成行注文から指値または逆指値注文がおこなえる画面に切り替わります。注文種別には4種類の注文方法(Buy Limit、Sell Limit、Buy Stop、Sell Stop)があり、Buy LimitとSell Limitが指値注文になります。

Buy Limitは指値買いのことで、現在レートよりも低いレートで買い予約注文を入れたい場合に選択します。例えばドル円の為替レートが100円の時、99円まで下がったら買いたいという場合です。Sell Limitは指値売りのことで、現在レートよりも高いレートで売り予約注文を入れたい場合に選択します。例えばドル円の為替レートが100円の時、101円まで上がったら売りたいという場合です。

Buy LimitとSell Limit

実際に指値注文(Buy Limit)を入れてみますので以下画像をご覧ください。現在のドル円レートは約111円。数量を0.1、注文種別をBuy Limit、価格を110円にして発注ボタンをクリックします。これでドル円レートが110円に下がれば自動的に買い注文が入るという設定になります。Buy Limitの注文が確定した場合は、MT4のターミナルの画面からポジションの確認ができます。

指値注文(Buy Limit)

MT4のターミナルの画面

指値注文(Buy Limit)の発注時に現在の為替レートよりも高い為替レートを入れてしまうと、注文が通らずに以下画像のようなエラー画面が表示されます。エラー画面がMT4に表示された場合はOKボタンをクリックして正しい価格を入れなおしてください。

指値注文のエラー画面

また、注文画面の有効期限にチェックを入れて有効日時を設定することで、指値注文を有効とする日時設定をおこなうことができます。指値注文が実行されずに有効期限が過ぎると指値注文はキャンセルされます。

指値注文で有効期限設定

MT4で逆指値注文を入れる方法

逆指値注文とは、現在の為替レートよりも不利な為替レートを指定してFXトレードをおこなう注文方法のことです。例えば、現在の為替レートが100円で、102円まで上がると予想しているが、101円まで上がってきたタイミングで買いたいといった場面で使用します。101円で買うということは100円で買うよりも不利なので逆指値の買い注文となります。

逆指値注文を実行する手順は、MT4の新規注文画面から通貨ペアと数量を指定した後、注文種別で指値注文を選択するところから始まります。

指値注文を選択

注文種別をみると4種類の注文方法(Buy Limit、Sell Limit、Buy Stop、Sell Stop)がありますが、この中のBuy StopとSell Stopが逆指値注文になります。

Buy Stopとは逆指値買いのことで、現在の為替レートよりも高い為替レートで買いの予約注文を入れる方法です。例えば現在の為替レートが100円で、101円まで上がったら買いたいという場合にBuy Stopを使います。

Sell Stopとは逆指値売りのことで、現在の為替レートよりも低い為替レートで売りの予約注文を入れる方法です。例えば現在の為替レートが100円で、99円まで下がったら売るという場合にSell Stopを使います。

Buy StopとSell Stop

逆指値注文(Buy Stop)を入れてみますので以下画像をご覧ください。現在のドル円レートは約111円。数量を0.1、注文種別をBuy Stop、価格を112円にして発注ボタンをクリックします。これでドル円レートが112円に上がったら自動的に買い注文が入るという設定が完了します。Buy Stopの注文が確定した場合は、MT4のターミナル画面でポジションの確認ができます。

逆指値注文(Buy Stop)を入れる

逆指値注文の確認

逆指値注文を間違えて現在レートよりも低く指値を入れてしまうと、注文が通らずエラー画面が表示されます。また以下画像のように、注文画面の有効期限にチェックを入れて有効日時を設定すれば、逆指値注文を有効とする日時設定をおこなうことができます。逆指値注文が実行されることなく有効期限を迎えると逆指値注文はキャンセルされます。

MT4でOCO注文を入れる方法

OCO(オーシーオー)注文とは、新規注文を入れた後に二つの注文を同時におこない、一つの注文が約定したら、もう一つの注文を取り消すという注文方法のことです。二つの注文とは、損失を決定させる決済逆指値注文と利益を決定させる決済指値注文になります。MT4では新規注文を先に入れておく必要があるため決済時のみでOCO注文を実行することができます。

保有中の買いポジションにOCO注文を入れてみますので以下画像をご覧ください。MT4でターミナルを開いていない場合は、ツールバー付近にあるターミナルアイコン(画像の赤枠)をクリックして、MT4にターミナル画面を表示させてください。表示されている保有ポジション上で右クリックをすると注文変更または取消(M)というボタンが表示されますので選択します。

OCO注文

右クリックで注文変更または取消(M)

以下画像のように注文画面が表示されますので注文種別が、注文の変更または取消となっていることを確認します。

注文の変更または取消を確認

それでは決済逆指値(S/L)の3つの価格入力方法から解説します。決済指値(T/P)の入力方法は決済逆指値の操作方法と全く同じであるため割愛します。1つ目は、レートが110円まで下がったら損切りする設定です。以下画像のように決済逆指値(S/L)に110と直接入力すれば完了です。

決済逆指値(S/L)の価格入力方法1

2つ目の決済逆指値(S/L)の価格入力方法は、決済逆指値(S/L)の上部に表示されている「下段にコピー(以下画像の赤枠)」をクリックして、決済逆指値(S/L)に価格のコピーを反映させる方法です。自動入力された値は▲▼で微調整できます。

決済逆指値(S/L)の価格入力方法2

3つ目の決済逆指値(S/L)の価格入力方法は「現在値からの差」を設定する方法です。例えば現在価格から50pips下がったところで注文を入れたい場合は、以下画像の赤枠部分の「現在値との差」に500と入力します。50pipsを500する理由は、現在値との差が「ポイント」で入力するように設定されているからです。MT4では1ポイントが0.1pipsとなるため500ポイントは50pipsとなります。なお、500と入力することで「下段にコピー」の部分に現在価格から500ポイント(50pips)引かれた価格が反映されます。そして下段にコピーの価格をクリックすれば決済逆指値の部分に価格が反映します。pipsについては以下のページで詳しく解説しています。

FXのpips(ピップス)について解説

決済逆指値(S/L)の価格入力方法3

最後は、決済逆指値(S/L)と決済指値(T/P)の設定が終わった後に、OCO注文を完了させる方法を案内します。OCO注文を完了させるには、以下画像のように青枠部分(画像赤矢印)の「ポジション#46988734・・・・変更する」という場所をクリックします。クリックにより注文内容が確定して自動的にウィンドウが閉じます。

注文が正確に反映されているかはMT4のターミナルから確認できます。最下部の画像をみてみると、赤枠の決済逆指値に110、決済指値に112と入っていますので、価格が110円まで下がれば損切り決済され、112円まで上がれば利確決済されるというOCO注文が入ったことが分かります。この注文のうちどちらか一方が実行されれば、もう一方の注文は取り消しされます。

OCO注文を完了させる

OCO注文を確認

MT4でIFD注文を入れる方法

IFD注文(イフダン注文)とは、MT4で新規注文と決済注文(決済指値か決済逆指値のどちらか一方)を同時におこなう注文のことで、新規注文が実行されると自動的に決済注文(指値または逆指値)が入ります。ここでは通貨ペアをUSD/JPY、数量を0.10として、ドル円が110円まで下がれば買うという新規注文を入れると同時に、112円まで上がったら売るという注文方法について案内します。

MT4で新規注文画面を開いて①の注文種別を指値注文、②の注文種別をBuy Limit、③の価格を110、④の決済指値を112として、最後の発注ボタンをクリックすればIFD注文の発注が完了します。発注が確定すると以下画像のように、MT4のターミナルに110円でのBuy Limit(指値買い)と112円での決済指値注文が同時に入ります。なお、決済逆指値をおこないたい場合は①の注文種別を逆指値注文、②の注文種別をSell Limitとしてください。

IFD注文(イフダン注文)

ターミナル画面

IFD注文では発注レートを設定した後に損切りのための決済逆指値を同時に入れることができますので、通貨ペアをUSD/JPY、数量を0.10として、ドル円が110円まで下がれば買うという新規注文と同時に、109円まで下がれば損切りをするというMT4での注文方法をご案内します。

MT4で新規注文の画面を開いて①の注文種別を指値注文、②の注文種別をBuy Limit、③の価格を110、④の決済逆指値を109として、最後に発注ボタンをクリックすればIFD注文の発注が完了します。発注が確定すると以下画像のように、MT4のターミナルに110円でのBuy Limit(指値買い)と109円での決済逆指値注文が同時に入ります。なおIFD注文でも有効期限を設定することができます。

IFD注文の発注

IFD注文を確認

MT4でIFO注文を入れる方法

IFO注文とは、MT4で新規注文と決済注文(決済指値と決済逆指値の両方)を同時におこなう注文のことです。ここでは通貨ペアをUSD/JPY、数量を0.10として、ドル円が110円となれば買い注文を入れて、112円まで上がれば売って利確する、もし109円までレートが下がれば損切りするといったMT4での注文方法をご案内します。

MT4で新規注文の画面を開いて①の注文種別を指値注文、②の注文種別をBuy Limit、③の価格を110、④の決済指値を112、⑤の決済逆指値を109として、最後に発注ボタンをクリックすればIFO注文の発注が完了します。発注が確定すると以下画像のように、MT4のターミナルに110円でのBuy Limit(指値買い)と109円での決済逆指値注文、112円での決済指値注文が同時に入ります。

IFO注文を入れる

IFO注文をターミナルで確認

便利なワンクリックでの注文方法

MT4にはワンクリックで成行注文をおこなえる機能があります。MT4のツールバーのツールからオプションに進み、表示されたオプション画面から取引タブを選択し、ワンクリック取引のチェックボックスにチェックを入れてOKを押してください。

ワンクリックで成行注文

オプション画面から取引タブを選択

次にMT4のチャート上で右クリックをします。ワンクリックトレードというテキストが表示されるので選択すると、MT4のチャート左上に以下画像のようにトレードパネルが表示されます。トレードパネルは発注ロット(画像赤枠)に値を入力し、SELL(売り)またはBUY(買い)のいずれかのボタンをクリックすればトレードが始まります。

ワンクリックトレードというテキストが表示

トレードパネルが表示

補足として以下画像をご覧ください。ワンクリック注文を実行するためのトレードパネルは、MT4のチャート画面の左上に表示される▼(画像赤枠)をクリックすることでも表示できます。ワンクリック注文は成行のみですが、簡単でスピーディに注文が完了します。

トレードパネルの表示2

注文取消しと手動決済の方法

MT4を使って指値、逆指値、OCO、IFD、IFOで予約注文をおこなった場合の、注文取消方法をご案内します。MT4のターミナルから取消したい予約注文を探して右クリックすると別ウィンドウが開きますので、注文変更または取消を選択します。

注文変更または取消を選択すれば以下画像のようにオーダーの発注画面が開きますので注文の取消(画像赤枠)をクリックすれば予約注文が取り消されます。

注文取消し画面

注文取消しを実行

MT4で成行注文をおこなうと即時にポジション保有となるため注文の取消ができません。ポジションを決済したい場合はMT4を使って手動で保有ポジションを決済します。MT4のターミナルから決済したい注文を探して右クリックして決済注文を選択すれば保有ポジションをすぐに決済することができます。

成行注文の決済

MT4でEAを使う場合の注文方法

MT4に導入できる自動売買ソフトのEAは、新規注文はもちろん、損切や利確の全てを自動的におこないます。そういった意味ではIFO注文にも似ていますがEAの場合はもっと高度な注文が実現できます。

例えばIFO注文は「価格がいくらになったら新規注文をして、価格がいくらになったら利益確定または損切りをする」のように必ず価格が基準になります。MT4で使える自動売買ソフトのEAも価格を基準に注文できますが「現在の価格が移動平均線を抜けた場合には買い、短期移動平均線が長期移動平均線を下抜いたら決済」といったようにチャート分析を基準にして注文を入れることができます。新規注文から何時間経過したら決済するというように時間を基準として注文を入れることが可能です。

当社がMT4で開発している自動売買ソフトのEAも色々な相場状況などを分析しながら、どんなタイミングで注文をおこなうか、どんな注文方法で発注をおこなうかを正確に判断しながら自動売買をおこないます。なお当社が開発しているEAは全て無料で配布していますので、興味のある方はこのページ訪問をきっかけに以下の無料EAボタンからEAを取得してください。

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