FXのpipsとは

2018年12月11日

FXのpipsとは、FXトレードにおいて使用される値動きの単位のことであり日本語でピップスと呼ばれています。通貨ペアのスプレッドやMT4を活用したEAトレードなどの取引結果などでもpipsを使い報告されます。FXトレーダーの中にはpipsと通貨が同じものと勘違いしている方も多いのでpipsについて徹底的に解説していきます。

pips(ピップス)とは

pips(ピップス)とは、FXトレードの共通の通貨単位として用いられているものです。pipはpercentage in pointの頭文字を取った略語でありpipsはその複数系となりますので、1pips、2pips、3pipsと記述されます。1pipsが1pipと記述されない理由は0.9 pipsなどの小数点以下が存在するためです。

FXの世界ではpipsという単位を頻繁に使います。スプレッドやスリッページを表す場合にも使いますし、当社ではMT4を活用したEAでの月間取引結果を+100pipsや-100pipsといったようにEAユーザーの方に報告しています。

通貨ごとの1pipsの基準を理解しよう

FXトレーダーは、USD/JPYやEUR/USDなどの様々な通貨ペアで為替取引をおこなっていますが、為替取引をおこなう通貨ペアによって1pipsの基準が異なる点に注意する必要があります。

以下画像をご覧ください。USD/JPYの通貨ペアの場合は、小数点以下第二位である1銭が1pipsの基準になります。USD/JPYだけでなくEUR/JPY、GBP/JPYなどの右側(決済通貨)がJPY(日本円)となっている通貨ペアは、すべて小数点以下第二位が1pipsの基準になります。小数点以下第三位は0.1pipsの基準となりますので合わせてご理解ください。

また、USD/JPYの通貨ペアのスプレッドは「BID(売)112.503、ASK(買)112.523」となっていれば差の0.02、つまり2pipsがスプレッドになります。

pipsの基準(JPY)

pipsとスプレッド

以下画像をご覧ください。次はEUR/USDやEUR/GBPなどの右側(決済通貨)がJPY(日本円)以外のpipsの基準について解説していきます。右側がJPY以外の全ての通貨ペアは小数点以下第四位が1pipsの基準になります。スプレッドも同様にEUR/USDの価格が「BID(売)1.13715、ASK(買)1.13735」となっていれば差の0.0002、つまり2pipsがスプレッドになります。小数点以下第五位は0.1pipsの基準となりますので合わせてご理解ください。

pipsの基準(JPY以外)

pipsとスプレッド(JPY以外)

FXトレードに慣れていない方はpipsの基準に慣れるまでは大変だとおもいますが、通貨ペアの右側がJPYであれば小数点以下第二位が1pipsの基準、それ以外は小数点以下第四位が1pipsの基準になると覚えておくと良いでしょう。

良くあるpipsと通貨の勘違い

FXトレードをしているとpipsと通貨の違いが分からなくなることがあります。

pipsは上記に解説してきたように通貨ペアの右側の決済通貨がJPYであれば小数点以下第二位、日本円が関係しない通貨の場合は小数点以下第四位が1pipsの基準となり、1pips、2pips、3pipsと数えます。

通貨もpipsのように1通貨、2通貨、3通貨と数えますが1通貨の基準は為替レートそのものになります。例えばUSD/JPYの現在の為替レートが112.523円であれば1通貨は112.523円です。為替レートは常に変動していますので1通貨も為替変動に合わせて常に変動します。

1通貨の基準は為替レート

通貨という単位は主にFXトレードで発注量を考えていくときの計算で使用します。例えばUSD/JPYの為替レートが112.523円のときに1万通貨を購入したいと考えている場合、「112.523円×10,000通貨」という計算によってFXトレードに必要となる金額を1,125,230円と求めることができます。

重要なポイントとして、FXトレードでは発注時に金額を入れることはなく、1,000通貨、10,000通貨といった単位発注をおこないます。金額を入力すると発注が面倒になるという理由と、金額を打ち込んでいる間に為替レートが変動してしまうというのが理由になります。このような問題を避けるために通貨という単位で発注がおこなわれます。ここまでを理解できれば次の項目で解説する、FXトレードでpipsが使われる理由を簡単に理解することができるでしょう。

トレード金額を求める計算

FXトレードでpipsが使われる理由

FXトレードでpipsという単位が使われている理由は、通貨の金額の変動の大きさを比較したとき分かりやすいからです。

例えば、EUR/GBP とUSD/JPY の2つのポジションを保有していたとして、EUR/GBPが0.02ポンド上昇してUSD/JPYも1円上昇した場合、どちらが大きく上昇したのかを瞬時に判断することができません。

為替レートの比較は難しい

このような画面でpipsという単位を用いればEUR/GBPが200pips上昇した、USD/JPYが100pips上昇したと共通単位で捉えることができるため比較がしやすくなります。FXトレードの収支比較をする場合にもpipsで比較する方が断然便利です。

pipsで判断

以下からは具体例を用いて解説していきます。

AさんはUSD/JPYを10万通貨発注して10万円の利益を獲得しました。BさんはAさんとは別の時間帯でUSD/JPYを3万通貨発注して6万円の利益を獲得しました。利益で比較をするとAさんの方が多くの利益を獲得しています。発注量で比較するとBさんよりもAさんの方が多くの発注をおこなっています。

それではAさんとBさんの取引結果をpipsに置き換えてみます。最初の方で解説したように1pipsは1銭、100pipsは1円ですので、Aさんは「10万円÷10万通貨=1円=100pips」、Bさんは「6万円÷3万通貨=2円=200pips」となり、Aさんは100pips獲得して10万円の利益を上げ、Bさんは200pipsを獲得して6万円の利益をあげたことが分かりました。

もしAさんがBさんと同じタイミングでFXトレードしていれば200pipsを獲得して20万円の利益をあげていたことから、この結果から上手にFXトレードをおこなったのはBさんということになります。このように獲得したpips数を読み解いていけば、自分がおこなったFXトレードが良かったのか、または悪かったのかを具体的に比較分析していくことができます。FXトレードの結果を分析していくのであれば獲得したpips数に注目するのが良いでしょう。

pipsで比較

MT4で使えるEAとpipsの関係

MT4を活用したEAでの自動売買による結果報告でも、トレード成績はpipsで表記されることがほとんどです。当社が開発しているMT4で使用できるEAも、毎月の取引結果をpipsで報告しています。FXやEAトレードをおこなう上でpipsは頻繁にでてくる単位ですので、しっかりと覚えておくことが大切です。

また、MT4の自動売買ソフトであるEAのほとんどが、損益をpipsで管理・計算しながら取引タイミングや発注量を調整していきます。当社がMT4で作成しているEAについては、さらに1歩進んだ資金管理プログラムを搭載しており、損益をpipsで管理・計算するのではなく損益率で管理できるEAとなっています。損益率で管理・計算していくEAの作成は手間がかかるため世の中に多くは出回っていませんので、是非この機会に利用してみてください。

当社がMT4で開発しているEAは全て無料でダウンロードすることができますので、ページ訪問をきっかけに無料でご取得いただければと存じます。当社の専門家チームが、これまで培ってきた技術、知識、経験などをフルに活かしてトレンド分析をおこない、MT4のシステム上で世界に1つだけのEAを開発しています。

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