ECN口座でのMT4 EAのバックテストの注意点
FX会社で開設できる口座の中にECN口座と呼ばれる口座がありますが、この口座を使用してMT4 EAのバックテストを行うさいには注意が必要です。ECN口座とはスプレッドが非常に狭いかわりに、取引時にFX会社から取引手数料を徴収されるシステムの口座となります。日本国内のFX会社ではあまり一般的とはいえませんが、海外のFX会社では取り扱いが多い口座といえます。
ECN口座でMT4 EAのバックテストをする場合、通常のバックテスト時と異なる注意点があり、間違ってしまうと正確なバックテストができません。今回はECN口座で正しくMT4 EAのバックテストを行う方法を説明していきます。
なお、当社はMT4 EAの開発を専門に手がける会社ですが、当社が開発しているMT4 EAもECN口座でバックテストを行うさいは同様の注意が必要ですので、注意点を守ってバックテスト行ってください。
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当社がおすすめするECN口座
現在、当社では数ある海外FX会社のECN口座の中で、信頼性が高く日本人でも利用しやすいFXDD社、Titan FX社、XM Trading社、Bigboss社をおすすめしております。各社のECN口座の名称と手数料は以下のとおりです。
FXDD社のECN口座 → プレミアム口座(片道2.99USD 往復5.98USD)※1
Titan FX社のECN口座 → ブレード口座(片道3.5USD 往復7.0USD)※1
Bigboss社のECN口座 → プロスプレッド口座(片道4.5USD 往復9.0USD)※1
XM Trading社のECN口座 → XMゼロ口座(片道5.0USD 往復10.0USD)※2
※1手数料は1.0ロット(10万通貨)あたり
※2手数料は10万USDあたり
口座開設時の注意点
ここではTitanFX社のブレード口座の開設を例に口座開設の注意点を説明します。
取引口座の設定では以下の画像ように設定します。
口座開設時の「口座タイプ」は「Blade」を選択します。「口座基本通貨」とは自己資金(証拠金)の通貨種別です。ここでは日本円を自己資金にすることにします。その場合は「JPY」を選択します。最後に「レバレッジ」ですが特別な理由がない限り最大レバレッジである「1:500」を選択しておけば問題ありません。
この「口座基本通貨」をどの通貨にしたかが非常に重要となりますので、必ずメモとして残しておくなりして忘れないようにしてください。「口座基本通貨」をどの通貨にしたか忘れてしまうと、この取引口座でMT4 EAのバックテストを行うさいに正しくできなくなってしまいますので、注意してください。
ECN口座でのMT4 EAのバックテスト時の注意点
それではECN口座でのMT4 EAのバックテスト時の注意点を説明します。
ここでは上記で開設したTitanFX社のブレード口座を使用して説明いたします。
なおMT4 EAのバックテストに使用するヒストリカルデータの作成方法やバックテスト方法をご存じない方は以下をご覧ください。
ECN口座でMT4 EAのバックテストを行うさいに注意すべき点は1点のみです。それはバックテスト時の通貨種別の設定です。まずは、バックテストのウインドウで「エキスパート設定」をクリックしてください。
以下のように「パラメーター入力」ウインドウが表示されますので、「テスト設定」タブをクリックします。
以下画像のようにテスト設定が表示され、次は初期証拠金の金額を入力して通貨種別の選択となりますが、ここで注意が必要です。
口座開設の際に「口座基本通貨」を「JPY」とした場合は、この初期証拠金の通貨種別は必ず口座基本通貨と同じく「JPY」にしなければなりません。もし口座開設時に「口座基本通貨」を「USD」を選択した場合は、初期証拠金の通貨種別も「USD」にする必要があります。
つまり口座開設時の「口座基本通貨」とバックテスト時の初期証拠金の通貨種別は、必ず同じでなければならないのです。
それでは、口座開設時の口座基本通貨とバックテスト時の初期証拠金の通貨種別をどちらも「JPY」に設定した場合のバックテスト結果を見てみましょう。以下の画像をご覧ください。
この画像はUSD/JPYを1.0ロット取引したものです。赤枠の取引をご覧ください。
111.025円で買いエントリーを行い、111.125円で利確決済しています。利幅は10pipsで1.0ロットの取引ですので利益は10,000円ですが、ECN口座ではバックテスト時も手数料が差し引かれます。
TitanFX社のブレード口座の手数料は1.0ロットあたり往復7USD(米ドル)ですが、口座基本通貨が日本円の場合の手数料は1.0ロットあたり往復720円と決まっております(2018年9月現在)。
赤枠の中の損益を見ると確かに10,000円から手数料の720円を差し引いた9,280円になっています。
それではもし、口座開設時の「口座基本通貨」が「JPY」であるにもかかわらず、バックテスト時の通貨種別を「USD」にした場合はどうなるか見てみます。以下の画像をご覧ください。
以下画像の赤枠は先ほどと同じ取引です。10pipsの利幅で1.0ロットの取引ですので日本円なら10,000円の利益ですがバックテスト時の通貨種別をUSDにしていますので、10,000円をUSDに変換する必要があります。
決済時のUSD/JPYのレートは1USD=111.126円になっておりますので10,000円÷111.126円=89.99USDとなり、おおよそ90USDの利益となるはずです。そこから手数料の7USDを差し引くと利益は83USDになります。
しかし赤枠の取引の損益を見てみると約630USDの損失になっています。これは手数料が7USDではなく720USDが差し引かれてしまった結果です。計算をしてみると90USD-720USD=-630USDとなり一致します。
さて、なぜこのような結果になるかを説明しましょう。
口座開設時の口座基本通貨を日本円にして正確なバックテストができた場合は、リアルトレードと同様に1.0ロットあたり720円の手数料取られます。
しかし、口座開設時の口座基本通貨が日本円であるにもかかわらず、バックテストの初期証拠金の通貨種別をUSDと誤って設定してしまうと、日本円口座の手数料である720円がシステム上で720USDと置き換わってしまい、1.0ロットあたり720USDの手数料が取られてしまうのです。また、バックテストの初期証拠金の通貨種別を誤ってEURと設定すれば1.0ロットあたり720EURの手数料が取られます。
よって、ECN口座でバックテストを行う場合は、バックテスト時の通貨種別は口座開設時の「口座基本通貨」と同じにしなければ、正確なバックテストができないことになります。
TaitanFX社以外のECN口座でのバックテスト
それではTaitanFX社以外のECN口座でバックテストを行った場合はどうなるのか説明します。
当社ではTaitanFX社以外に、FXDD社とBigboss社、XM Trading社のECN口座をおすすめしておりますが、FXDD社のECN口座(FXDDプレミアム口座)とBigboss社(プロスプレッド口座)はTaitanFX社と同様に口座開設時の口座基本通貨とバックテスト時の初期証拠金の通貨種別が一致していなければ、TaitanFX社と同様に誤った結果となってしまいます。
XM Trading社のXMゼロ口座の場合は口座開設時の口座基本通貨と関係なく、バックテストをどの通貨種別で行っても1.0ロットあたり10EUR(ユーロ)が手数料として取られます。
XMゼロ口座の手数料については以下で詳細に説明しておりますのでご覧ください。
XM Trading社のXMゼロ(XM ZERO)口座の手数料について
MT4 EAとECN口座の手数料
現在、MT4 EAのプログラミングでECN口座の手数料の問題を回避することは不可能です。問題回避のためにはMT4 EAを使用する方々が、今回ご説明した内容を理解し、正しくバックテストを行う他ありません。
ただしFX会社側で仕様を変更する場合はあります。といいますのもXM Trading社も以前はTaitanFX社やFXDD社と同様に、口座開設時の口座基本通貨とバックテストの口座基本通貨を同じにしなければ正確な結果となりませんでしたが、現在では仕様変更があり通貨種別に関係なく1.0ロットあたり10EURに統一されました。
今後、同じように他のFX会社も何らかの仕様変更を行う可能性はあります。もしそのような仕様変更が行われたら、当社のサイト上でお知らせしたいと思います。
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