FXトレードの注文方法
FXにはいくつかの注文方法があります。それぞれの方法をケースバイケースで使い分けることにより効率的なトレードが可能になります。いっぽうで、それぞれの注文方法の内容をしっかりと把握しておらず、間違えた発注をおこなえば、十分な利益を得られないばかりか、思わぬ損害をこうむることにもなりかねません。そうならないためにも、注文方法についてはしっかりと学んでおく必要があります。
FXの注文方法にはマイナーなものまで合わせると様々なものがあり、FX会社によっても異なります。ここでは、ほとんどのFX会社で利用できる代表的な注文方法について説明してまいります。
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成行注文
興味のある為替の値動きを見ていて「この値段で売りたい・買いたい」という瞬間があります。そんな時に使うのが「成行注文」です。「成行注文」は為替レートを指定せずに「今」のレートで売りと買いのどちらかを指定して注文をすることで取引が完了します。
FX業者の中には、この「成行注文」のことを「プライスオーダー」、「クイックトレード」、「マーケット注文」、「リアルタイムトレード」という名前で呼んでいるところもありますが、どれも『現在の価格で直ぐに取引を実行する』という「成行注文」と同じ意味です。
通常、FXのレートを見ると「売り」と「買い」両方の現在のレートが提示されています。今仮に、米ドル/円の為替レートが、売り(またはBID)が1ドル=100円10銭、買い(またはASK)が1ドル = 100円20銭と表示されているとします。
ここで成行の「買い注文」を入れると、1ドル =100円20銭で買うことができます。
また成行の「売り注文」を入れると、1ドル =100円10銭で売ることができます。
「成行注文」の注意点
「成行注文」は自分が取引をしたい為替レートで直ぐに注文できることだと書きました。しかし注文をしてから注文が確定されるまで時間がかかることがあります。その理由は、成行注文を出した場合、あなたの端末からFX会社のサーバーに注文指示が到達する通信時間と、FX会社のサーバー内で行われる約定処理に時間がかかる間にレートが変動することがあるからです。
これは誰にも防ぐことができない不可抗力で起こる時差です。そして、その差は「スリッページ」と呼ばれてます。なお、スリッページは経済指標発表直後など、取引注文が殺到しているような場合に発生しやすくなります。
スリッページの発生が、有利に動けばいいのですが、激しく変動する時にはその逆があります。つまり、思ったよりも高く買ってしまった、思ったよりも安く売ってしまったという場面です。
FX会社の中には、自分にとって不利に働くスリッページに対処するために、予めスリッページ幅の許容量を設定することができ、設定したスリッページ以上にレートが変化した場合には成行注文が成立しないというシステムを設けているところもありますのでFX会社の選定をおこなう際には注目してみるのもよいでしょう。
スリッページについてはFXトレードでのスプレッドの記事中の「トレード時のスリッページ」の項目で詳細に説明しております。
指値注文
「指値注文」とは、(売りたい価格/買いたい価格)を指定して取引する方法です。為替市場は24時間変動しているので、一日中パソコンの為替レート画面を見張れないという人にお勧めであり、現在のレートよりも有利な条件で取引をする注文方法が指値注文だと覚えておくのがよいでしょう。
例えば、現在の米ドル円のレートが100円でこの後102円までは上がると予想しているとします。この場合は100円で成行の「買い」注文をいれるよりも、99円まで下がった時点で成行の「買い」注文を入れたほうが、得られる利益が大きくなります。
しかし99円に下がるまでずっとチャートを見てレートを確認するような時間はありません。このような時に「99円」で指値注文をいれておけば、レートをいちいちチェックしなくても、99円までレートが下がった時点で自動的に「買い注文」が実行されます。
逆に現在100円のレートが98円まで下がると予想した場合、100円で成行の「売り」注文を入れるより、101円で指値の「売り」注文を入れるほうが得られる利益は多くなります。
また現在ポジションを保有している場合にも指値注文は使えます。
指値注文は有利な条件で取引する注文方法なので、現在の保有ポジションに利益が出るようなレートで指値注文を入れることができます。
例えば100円で「買い」注文を入れたポジションを保有しているとします。今後レートが102円までは上がると予想した場合、102円に指値の「売り」注文を入れておけば、レートが102円に到達した時点で現在の「買い」ポジションが売られて決済されます。
逆に100円で「売り」注文を入れたポジションを保有している場合、98円まで下がると予想すれば、98円で指値の「買い」注文を入れておけば98円に到達した時点で現在の「売り」ポジションが買われて決済されます。
「指値注文」の注意点
指値注文は通貨レートを監視しなくても、設定したレートに到達すれば自動的に発注が行えるという便利な注文方法ですが、使用するにあたって注意点もあります。
現在のレートとあまりにも離れた「指値注文」を設定してしまうと、なかなか設定をした指値レートに到達せず、取引がほとんど行われないという状況になってしまいます。
これは為替相場が安定していて、値動きがあまり大きくない場合に起こりやすくなります。指値注文のレートを設定する場合は現在の相場状況に合わせてレートを設定することが大切です。
逆指値注文
「逆指値注文」とはその名のとおり「指値注文」の逆の使い方をします。指値注文は「現在のレートよりも有利な条件での注文」でしたが、逆指値注文は「現在のレートよりも不利な条件での注文」ということになります。
例えば、現在の米ドルのレートが1ドル=100円で、この後102円まで上がると予想しているが、少し相場の動きに勢いが出てきたのを確認してから「101円で」買いたいといった場面で使います。101円で買うということは現在の100円で買うよりも不利になるので、この注文は101円での「逆指値の買い注文」となります。
反対に、現在100円のレートが98円まで下がると予想しており、99円に下がった時点で売り注文を出すという場合は、99円で「逆指値売り注文」を出すということになります。
また逆指値注文も指値注文と同様に現在保有しているポジションに対して実行することができます。
例えば、1ドル=100円で保有をした「買い」ポジションが98円まで下がり、損失の膨らみを避けるために98円で決済をおこなうと、98円で「逆指値売り注文」を入れたということになります。
反対に100円で保有をした「売り」ポジションが102円まで上がり、102円で決済をおこなうと、102円で「逆指値買い注文」を入れたということになります。
なお逆指値注文は、損失を止めるための注文という特徴があるため、「ストップ注文」や「ストップオーダー」という別名でも呼ばれます。
「逆指値注文」の注意点と上手な利用方法
逆指値注文も指値注文と同様に指定した逆値レートまで為替が変動しない場合があります。特に保有ポジションの損失確定(損切)のための逆指値注文を入れている場合、あまりにも現在のレートと離れたレートで逆指値を入れてしまうと、いつまでも損失を抱えたまま決済されず、いわゆる「塩漬け」と呼ばれる状態になりますので逆指値を入れるレートには注意をはらう必要があります。
また保有中のポジションに対して逆指値注文を使用する場合、損失を確定させる使い方の他にも、利益を確定させるための「逆指値注文」があります。
例えば、米ドル円が100円の時にドルを買い、105円まで値段が上がっていたとします。1ドルあたり5円の利益が出ていますが、為替は常に動き続けていますので、この利益のいくらかを確保するために、1ドル=103円(逆指値での売り注文)を出しておきます。これは利益が出る注文となるので「指値注文」のようにも思えますが、現在のレートである1ドル=105円よりも不利なレートになるため、これも「逆指値注文」になります。
このような逆指値注文を入れておけば相場のレートが1ドル=103円まで下がった時点で保有ポジションは決済されますので、確実に1ドルあたり3円の利益は確保されます。
IFD(イフダン)注文
「IFD注文」とは新規の注文と決済の注文を同時に発注することができる注文です。新規の注文が実行されることで、自動的に決済注文(指値または逆指値)が入ります。
例えば、「1ドル=100円で米ドルを買う」という新規注文を出すと同時に「1ドル=110円になったら米ドルを売る」という決済注文も一緒に出すとします。
そうすると、最初の「1ドル=100円で米ドルを買う」が約定すると、二つ目の「1ドル=110円になったら米ドルを売る」の決済注文も自動的に入りますので、IFD注文さえ入れておけば、まったくチャートをチェックすることなく取引することが可能になります。
またIFD注文では新規注文と同時に損切の逆指値注文も入れることができます。
例えば「1ドル=100円で米ドルを買う」という新規注文を出すと同時に「1ドル=98円になったら米ドルを売る」という損切の「逆指値注文」も入れておくことができます。
IFD注文の注意点
IFD注文では新規注文後の利確注文(指値注文)と損切注文(逆指値注文)を同時に入れることはできません。つまり1ドル=100円になったら新規で買い、105円まで上がったら利益確定のために売る。しかし、そこに到達する前に98円まで下がったら損失確定のために売る。といった決済注文の「指値と逆指値の同時注文」はできないということです。
IFD注文では決済注文は「利益確定の指値注文」か「損失確定の逆指値注文」かどちらかしか選択できません。
OCO(オーシーオー)注文
「OCO注文」は「IFD注文」と同じように二つの注文を同時におこないますが、「IFD注文」とは異なる注文方法となります。「OCO注文」は、二つの注文を一緒に出すところまではおなじですがIFD注文と異なり、どちらかの注文が約定したら、もう一つの注文は取り消しになる注文方法です。
またIFD注文は新規注文時のみ使用できますが、OCO注文は新規注文時でも保有ポジションの決済時にでも使用することができます。
新規注文時に使う場合は、例えば現在1ドル=100円だとして、もし99円まで下がったら「買い注文」、もし101円まで上がったら「売り注文」という二つの新規注文を同時に出すことが可能です。この場合どちらか一方の注文が実行されたら、もうひとつの注文は自動的に取り消されます。
すでに保有しているポジションについてOCO注文を使う場合は、たとえば1ドル=100円で買ったポジションを持っている場合、もし101円まで上がったら「利益確定の売り注文(指値注文)」、もし99円まで下がったら「損失確定の売り注文(逆指値注文)」という決済注文を同時に出すことが可能です。この場合もどちらか一方の注文が実行されたら、もうひとつの注文は自動的に取り消されます。
OCO注文の注意点
OCO注文を使用すると二つの注文を同時に出すことができるのですが、新規注文と決済注文を同時に出すことができません。そのため、ポジションを保有していない場合にOCO注文を使用できるのは、新規注文だけになります。 ここが「新規注文と決済注文を同時に出せる」IFD注文との違いになりますのでご注意ください。
IFDO(イフダン・オーシーオー)注文
「IFDO注文」とは、「IFD注文」と「OCO注文」の機能が合わさっている注文方法です。つまり新規注文と決済注文を同時に行うことができ、さらに決済時の利益確定のための指値注文と損失確定のための逆指値注文まで同時に発注することができます。
例えば「IFDO注文」の画面で、「米ドルが100円で買う(指値)」という新規注文を入力します。そして、その注文が約定した場合の決済条件を2つ設定することができます。
1.101円に到達した場合に売る(利益確定の売り決済注文)
2.99円まで値下がりした場合、損失確定のために売る
このように設定することで新規購入注文が約定した後、「1か2」のどちらかの条件に当てはまった場合、決済がおこなわれることになります。
優れた機能である「IFDO注文」をマスターすることで、昼間は会社勤めをしていて為替レートの動向を確認できないという方でも、最初の注文から決済の注文までを安心して完全自動売買できるようになります。MT4 EAにおける注文方法
MT4 EAは自動売買ソフトですので、基本的には上で述べた「IFDO注文」と同じような注文方法です。ただ大きく異なるのはIFDO注文で設定するのは為替レートですが、MT4 EAの場合は相場自体の動きを分析し、そのパターンによって発注を行うよう設定されている点です。
つまりMT4 EAは「為替レートがいくらになったら」ではなく「相場がこのような状態になったら」で発注を行います。
そのためMT4 EAでは現在のレートに関係なく、その時の相場の状況に応じたFXトレードが可能になります。
当社の開発するMT4 EAも相場の状況を判断し新規注文を行い、「IFDO注文」と同じように決済のための指値と逆指値を同時に発注します。さらに決済の指値や逆指値のレートに到達する以前に、相場状況が危険だとMT4 EAが判断した場合もまた決済注文を実行し、事前にリスク回避を行うようにプログラミングされています。
このような判断はFX会社が提供している通常の注文方法ではカバーすることはできません。
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