FXトレードでのスプレッド

2017年10月24日

スプレッドとは、通貨の買値と売値の値段の差額のことでありスプレッドは各FX会社が独自に設定をしてFXトレーダーに提供しています。日本のFX会社はスプレッドが狭く、海外のFX会社は若干広めのスプレッドが設定されており、理由を含めて解説していきます。裁量トレーダーにもMT4で自動売買をおこなうEAトレーダーにもスプレッドは重要な要素です。

スプレッドを分かりやすく解説

スプレッドとは通貨の買値(ASK)と売値(BID)の差額のことでFX会社に支払う手数料とお考えください。以下画像は1ポンドあたりの日本円の価格をあらわしたもので、買値であるASKは148.334円、売値であるBIDは148 .324円となっていますので、その差額の0.01円(148.334円-148 .324円)がスプレッドになります。通常スプレッドは円ではなく銭であらわしますので0.01円は1銭になります。スプレッド(取引手数料)の設定はFX会社ごとに異なりますし、各種通貨ペアや相場状況によっても変動しますので予めご理解ください。

スプレッドの表示画面

日本のFX会社はスプレッドが狭いのですが、為替相場が大きく変動するとスプレッドが広がったり、スリッページ(ページ後半で解説)が発生するため注意が必要です。海外のFX会社は日本のFX会社よりもスプレッドが若干広くなりますが、スプレッドの広がりやスリッページの発生があまりありません。穏やかな為替相場でFXトレードをおこなう場合は日本のFX会社。激しい為替相場でFXトレードをおこなう場合は海外のFX会社を選択しても良いでしょう。またMT4を活用したEAによる自動売買をおこなう方は、いろいろな相場でのFXトレードが想定されるため海外のFX会社の選択が良いでしょう。

スプレッドの単位を分かりやすく解説

FXの世界ではスプレッドの単位をpips(ピップス)であらわします。例えば、米ドル/円のスプレッドを0.01銭、ユーロ/米ドルのスプレッドを0.01米ドル、ユーロ/ポンドのスプレッドを0.01ポンドとあらわすと脳が混乱してスプレッドの単位が分かりにくくなるためです。

米ドル/円やユーロ/円などの日本円が関係する通貨ペアはレートの100分の1の位である1銭(=0.01円)が1pipsとなります。日本円が関係していない通貨ペアは全てレートで10,000分の1の位が1pipsになります。例えば。ポンド/米ドルの買値であるASKが1.31139ドル、売値であるBIDが1.31129ドルであればスプレッドは0.0001ドル(1.31139ドル-1.31129ドル)になるので1pipsがスプレッドです。

スプレッドの表示画面2

FX会社によっては「全ての通貨ペアのスプレッドをpips表示」する会社と、「日本円が絡んだ通貨ペアだけは銭、他の通貨ペアはpips表示」をする会社に分かれますが、銭はpipsだと考えれば混乱することはないでしょう。FX会社のスプレッドの表示方法はこの2種類しかありませんので迷わないようにしてください。

各FX会社によるスプレッドの違い

スプレッドは各FX会社が設定しますので、全く同じスプレッドを提供しているFX会社はまずありません。日本のFX会社は日本人に人気の米ドル/円のスプレッドを低く設定して顧客を呼び込むことが多く、世界中をターゲットにする海外FX会社はFX市場で人気のあるユーロ/米ドルのスプレッドを低く設定して顧客を呼び込むことが多いです。以下画像は日本の各FX会社のスプレッドの一覧表になりますが、ポンド/円のスプレッドが各FX社で開きがあることが分かります。

スプレッド一覧

スプレッドはFX会社に支払う取引手数料なので低スプレッドのFX会社に顧客が集中しそうですが、FXトレードにとって低スプレッドはひとつの要素でしかないため、低スプレッドのみで顧客が集中することはありません。低スプレッド以外の大きな要素にチャートシステムの性能があります。FXトレーダーにとってチャートは車のナビゲーションのようなものなのでナビゲーションの性能が悪ければ道を外して事故につながる可能性があります。どんなにスプレッドが低くてもチャートシステムの性能が悪けれればFXトレーダーから敬遠されるでしょう。

以下の表画像をご覧ください。A社は低スプレッドを提供するFX会社ですがチャート機能はB社よりも相当落ちます。さらに注文方法が複雑なためトレードチャンスを逃してしまう恐れもありますのでA社で口座開設をする理由はありません。

各FX会社の比較

日本ではスプレッドを「原則固定」と案内しているFX会社をよくみます。魅力的な表現ですが、実際にスプレッドが固定されているのは安定した相場のときだけで、経済指標発表などの為替変動が激しい場面ではスプレッドが広がっています。米ドル/円のスプレッドを0.3pipsとしておきながらも、経済指標発表時に20pips以上にスプレッドが広がるFX会社もあります。そのためスプレッドが「原則固定」という言葉には惑わされない方が良いでしょう。低スプレッドを売りにするFX会社の多くがこのタイプですから注意が必要です。

海外のFX会社のスプレッドが1~2pipsに設定されていることが多いですが、経済指標発表時でもスプレッドが広がらず、約定力も強いというメリットがあります。FXトレーダーには安定相場では低スプレッドの日本のFX会社、不安定相場では海外のFX会社というように使い分けをしてFXトレードをこなう方もいます。

スプレッドに関連するスリッページ

スリッページとは、注文した為替レートとは異なる為替レートで約定してしまう現象のことで、狭いスプレッドを提供している日本のFX会社で良くみられる現象です。スリッページは重要指標発表時や値動きの激しい為替相場で発生することが多く、日本のFX会社を利用しているFXトレーダーはこのような為替相場でFXトレードをするのは避けた方が良いでしょう。

以下画像の図をご覧ください。米ドル/円を110円で買い110.2円で売り、20pipsの利益を獲得するトレード計画を立てたとします。しかし実際に発注してみると相場変動が激しく10pipsのスリッページが発生し110.1円で注文が確定し、その後は予定通り110.2円で決済しました。本来20pipsの利益となるはずが10pipsもスリッページしたため利益は10pipsとなりました。このような状況は低スプレッドを提供する日本のFX会社で頻繁に起こりますので約定力の強い海外のFX会社で取引をした方が良いでしょう。

スリッページ

スリッページが上記例とは反対方向に動くことで有利なFXトレードをおこなえるのではと考える方も多いようです。例えば米ドル/円を110円で買う予定がスリッページにより109.9円で買いが入り、110.2円で売り30pipsの利益を得るようなパターンです。このような状況は起こるはずですが不思議なことにFXトレーダーに有利に働くスリッページはみたことがありません。ほとんどの場合は注文が通らず約定が拒否されます。

スリッページもFXトレードでの取引手数料なので、低スプレッドのFX会社でもスリッページが多いFX会社は避けるべきです。スリッページが発生するFX会社かどうかはリアル口座開設をして検証してみるしかありません。難しい場合はインターネット上で口コミを探してみるのも良いでしょう。デモ口座はスリッページが発生しないため参考にはならないでしょう。

MT4でEAを稼働する場合のスプレッド

MT4で自動売買ソフトのEAを稼働する方にとってもスプレッドは大切な要素です。当社がMT4で開発しているEAはできる限り低スプレッドの通貨ペアを対象に作成しています。

EAを活用することで経済指標発表時などでの急激なスプレッドの広がりや想定外のスリッページをプログラムが感知し、自動的に危険な状況を避けることができますので、当社の専門家がMT4で開発したEAを使用すればスプレッドやスリッページを気にすることなく安心してEAトレードを実行させることができます。

なお当社がMT4で開発しているEAはすべて無料となっています。ご興味のある方は当社ホームページをご覧いただきEAをご取得ください。

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