欧州消費者物価指数(HICP)
欧州連合(EU)統計局が19日発表したユーロ圏の3月の消費者物価指数(HICP)改定値は、速報と同じく前年比6.9%上昇と、前月の8.5%上昇から鈍化しました。しかし市場関係者はECBの5月の利上げが最後の利上げになる可能性は低いと見ているようです。
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欧州消費者物価指数(HICP)
19日、欧州消費者物価指数(HICP)の改定値が発表され前月の8.5%から6.9%に大きく伸びが鈍化しました。ユーロ圏のインフレは先月に緩和しましたが、基本的な指標は依然として頑固に高いと、ユーロスタットが水曜日に発表し、欧州中央銀行(ECB)の物価圧力の持続性についての懸念が高まりました。
ユーロを共有する20の国の消費者物価は、ロシアによるウクライナ侵攻に伴う昨年の急騰後、天然ガス価格の急落を主因に、8.5%から6.9%に緩和しました。
しかしECBの政策担当者は現在、高いエネルギーコストが経済全体に浸透し、サービスから賃金まであらゆる面で長引いており、インフレの抑制がより困難になっていることを懸念しています。
実際、未加工食品と燃料を除くと、価格は7.4%から7.5%に加速し、アルコールとタバコを除外したさらに狭いインフレ率は、予備データと一致して5.6%から5.7%に上昇しました。
昨年7月以降の記録的な350ベーシスポイントの利上げにもかかわらず、大半のECBの政策立案者が利上げを続ける必要があるとすでに述べているのは、コア指標が一貫して高いためです。
現在、議論は5月4日の会議で25ベーシスポイントから50ベーシスポイントの上昇の間で行われているようであり、決定の2日前に予定されている4月のインフレデータが決定要因となる可能性があります。
今のところ、市場はより小さな動きに傾いていますが、市場関係者はECBがより大きな上昇に向かう可能性を3分の1と見ています。
イギリスが3月に西ヨーロッパで唯一の二桁のインフレを記録したことにより、英国銀行(Bank of England)が5月にさらに利上げを行うという見通しが水曜日に上昇しました。
ECBの5月の利上げが最後の利上げになる可能性は低く、市場は3%の預金金利がピークに達する前に合計で85ベーシスポイントの利上げが行われると予想しています。
ECBの主な懸念は、現在5.1%に達しているサービス価格のインフレがあまりにも速いことであり、これは賃金が労働コストによって主に決定されるため、賃金が主要な問題になりつつある可能性があることです。
もう1つの問題は、食品のインフレが加速し続けていることです。これが消費者のインフレ認識に対して大きな影響を与えており、支出行動を変え、賃金要求を圧力をかける可能性があります。先月の未加工食品のインフレ率は、2月の13.9%から14.7%に上昇しました。
今年の賃金は5%から6%上昇しており、労働者が2022年にインフレによって実収入の一部を失った後でも、まだインフレに追いついているに過ぎません。しかし、この水準はECBの2%のインフレ目標に一致しておらず、ディスインフレーション(金融引き締め政策により物価上昇ペースが鈍化すること)が非常にゆっくりと進行する可能性があります。
ユーロ圏の労働市場は依然として非常に緊張しており、夏にはサービス業を中心に広範囲に労働力不足が予想されるため、賃金圧力が依然として加速する可能性があります。
ECBの政策担当者は、基本的な物価の成長が数か月間さらに加速してから停滞し、有意な減少が秋になる前には訪れないと見ています。
今回の発表におけるMT4 EAへの影響
今回の欧州3月消費者物価指数(HICP)発表時の相場への影響はドル円およびユーロ円ともに見られませんでした。なお当社がリリースしている無料MT4 EAについても影響はありあませんでした。
MT4チャートの日足でATRインジケーターを表示させてみるとドル円相場では昨年末から徐々にボラティリティが下落傾向にあります。ユーロドル相場についてはドル円よりもさらにボラティリティ下落が激しくなっています。どちらの通貨ペアでも重要指標発表時には相場が乱高下する傾向は続いておりますので、当社のリリースする無料MT4 EAをご使用の方はメルマガ等で注意喚起しているとして注意喚起しております注目の経済指標発表時にはEAの稼働停止、事前のポジション決済を実行されることをおすすめします。