米8月雇用統計 失業率悪化も来月には回復か?

2022年09月04日

2日、米労働省は8月の雇用統計を発表し、非農業部門雇用者数は+31.5万人(予想:+30.0万人)、失業率は3.7%(予想:3.5%)となりました。失業率の上昇は労働参加者が増加したことが原因で来月には低下するというのがアナリストの見方のようです。

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米8月雇用統計

米労働省は2日、8月の雇用統計を発表しました。非農業部門雇用者数は31.5万人増加で市場予想の30.0万人増加を上回りましたが失業率は3.7%となり先月の3.5%より悪化しています。また賃金の伸びも前年同月比+5.2%で市場予想の5.3%を下回っています。

シチズンズのグローバル市場担当マネージング・ディレクター、エリック・マーリス氏は「過熱した労働市場が徐々に冷え込むことは、インフレ圧力を緩和するために米経済が必要としていることかもしれない」と指摘。「FRBは、労働参加率の上昇と時間当たり賃金の伸び鈍化に勇気づけられるだろう」と述べました。

8月は20カ月連続で雇用が増加。雇用は現在、パンデミック(世界的大流行)前の水準を24万人上回っています。

部門別にみると8月は幅広い分野で雇用が増加。専門職・企業サービスが牽引し、6.8万人増となったほか、ヘルスケアは4.8万人増加しました。小売業は4.4万人、製造業は2.2万人それぞれ増加。レジャー・接客は3.1万人増となっていますが、1─7月の月平均(9万人増)を大幅に下回っています。

JPモルガンの米国担当チーフエコノミスト、マイケル・フェローリ氏は「雇用の増加は米経済がすでにリセッションに陥っているとの見方の反証となり、ソフトランディング(軟着陸)がまだ可能だとの期待につながる」と述べました。

また、一部のエコノミストは8月の雇用の伸び鈍化を深読みしないよう指摘。今回の回答率は2006年以来の低水準だったとし、「8月の雇用の伸びは当初の数値より力強いかもしれない」と指摘しています。

失業率は3.7%で、前月の3.5%から上昇し、半年ぶりの高水準となりましたが、家計調査によると、78.6万人が労働力として参入しており、失業率の上昇はこれが理由となっています。この結果、労働参加率は62.4%と、7月の62.1%から上昇しましたが、パンデミック前の水準をなお1%ポイント下回っている状況です。

もっとも8月の労働力人口の急増は季節的要因に加え、働き盛りの世代の労働参加率が上昇したためで、一部のエコノミストは継続的な労働力人口の増加に懐疑的のようです。ブリーン・キャピタルのシニア経済アドバイザー、コンラッド・デクワドロス氏は「9月には失業率の低下傾向が再開する」と指摘しています。

今回の発表におけるMT4 EAへの影響

今回の米8月雇用統計発表時のドル円の相場の動きをMT4のチャートで確認すると、発表前に140.5円ほどであったドル円レートは発表直後139.9~140.6円の範囲で大きく乱高下しました。その後140.8円付近まで上げた後は一気に下落し140円を割り込みました。なお当社がリリースしている無料MT4 EAにも影響は見られませんでした。

MT4チャートの日足でATRインジケーターを表示させてみるとドル円相場では5月にかけて少しボラティリティが下落傾向にありましたが、ここ最近はまたボラティリティが上昇してきています。ユーロドル相場については3月に入ってからボラティリティが下降している状況でしたが、4月後半に入り少しずつ上昇し現在もその上昇傾向が続いていていましたが6月に入りボラティリティの上昇も頭打ちの状態です。どちらの通貨ペアでも重要指標発表時には相場が乱高下する傾向は続いておりますので、当社のリリースする無料MT4 EAをご使用の方はメルマガ等で注意喚起しているとして注意喚起しております注目の経済指標発表時にはEAの稼働停止、事前のポジション決済を実行されることをおすすめします。