MT4で分析する2019年3月のFOMC政策金利発表
2019年3月20日の日本時間27時00分(3月21日3時00分)にFOMC政策金利が発表されました。
FOMC政策金利はアメリカの金融政策を決定するために開かれる会合のことをいい、FRB議長を含む7名の理事とニューヨーク連銀総裁(副議長)およびその他11名の地区連銀総裁の中から4名が持ちまわりした、計12名のメンバーで構成されています。
FOMCは年間に8回開催され主に政策金利と、現在の景況判断と政策決定内容、それに関する各FOMCメンバーの政策決定に対する賛否などが記された「声明文」が発表され、その結果が市場の予想と反する場合には世界の金融マーケットに大きな影響を及ぼし、特定の通貨だけでなく、全ての為替通貨ペアが大変動となる場合があります。
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市場予想は圧倒的現状維持
今回のFOMC市場予想は圧倒的に現状維持になっていました。
リーマンショック以降、米国の政策金利は0-0.25%で実質ゼロ金利政策を行ってきましたが、景気が上向き始めた2016年以降は利上げを繰り返し、現在は2.25-2.50%の水準にあります。
しかし2018年後半から景気が減速傾向に入り、2019年の利上げ回数の予想は昨年9月時点の3回から、2019年年初には2回に減少してします。
そんな中で今回のFOMC政策金利発表を迎えましたが、今回の利上げの市場予想は「据え置き」が98%以上という圧倒的なものになりました。
FOMC声明文が相場を動かす
今回発表されたFOMC政策金利は、市場予想どおり現状の2.25-2.50%の据え置きとなったので相場を大きく動かすようなものではありませんでしたが、今回の据え置き措置を判断した内容を告げるFOMC声明が相場を動かすきっかけになりました。
その内容の概要は以下のとおりです。
・雇用の伸びは概してここ数カ月底堅く失業率は低い
・前年同月比で見ると、主にエネルギー価格の下落が原因で全体のインフレ率は低下した
・将来のインフレを示す市場ベースの指標はここ数カ月で低くとどまっている
・バランスシートの調整 9月末に停止見通し
この中で最も相場に影響を及ぼしたのは「バランスシートの調整」の項目でした。2019年1月のFOMC議事録ではバランスシートの調整は2019年末まで続ける意向を示していました。しかし今回の声明では今年の5月からバランスシートの調整ペースを半分に鈍化させ、さらに9月末で終了させるという、規模、期間ともに緩和された内容になりました。
これは明らかに市場期待を裏切る内容でした。
MT4チャートでのFOMC政策金利発表
それでは、MT4でFOMC議事録発表時のドル円チャートの動きを見てみます。
チャートはUSDJPYで時間足は5分足です。
赤矢印がFOMC議事録発表時です。発表直後から大きくドルが売られ、5分間で50pipsあまりも下落しました。これは先述したバランスシート縮小の規模期間の緩和の発言が影響しているとみられます。
その後もドルは下落を続け発表から1時間後には下落幅は100pips近くになりました。通常はここから徐々に値を戻すことが多いのですが、今回のFOMC声明はかなりインパクトが強かったようで、結局3月21日の日本時間17時ほどまで下落は続き、下落幅はFOMC発表前から120pipsほどになりました。
その後は現在まで70pipsほど値を戻しましたが、FOMC発表前のレベルには戻っていない状況です。
今回のFOMC政策金利発表を受けて
今回のFOMC政策金利発表を受けて市場は、FOMC声明が予想以上に慎重姿勢だったことで米国の景気の現状が思っている以上に減速していることを実感しているようです。
今後の政策金利の見通しは、年内は据え置き、2020年は年1回のペースになることを示唆しました。
中国経済の衰退やヨーロッパ諸国の景気も向上しない中、今後は世界的な景気減退に陥ることも懸念されます。
4月10日には今回のFOMCの議事要旨が発表されますので、注視しなければなりません。
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