MT4で分析する英国EU離脱(ブレグジット)案採決

2019年03月16日

2019年3月12日に英国EU離脱(ブレグジット)案採決が英国議会で行われました。

2019年3月末でのブレグジットに向けて英国側とEU側はこれまでに何度も協議を重ねてきましたが、双方が納得するような結果が得られない状態で英国は離脱案を作成しました。この離脱案に対して英議会が賛成か反対かを問うのが今回の議会採決です。

市場予想では離脱案反対が多数で決着という意見が圧倒的でした。その場合の最悪のシナリオは議会の合意がないままEUを離脱するという「合意なき離脱」です。昨年から「合意なき離脱」におちいる恐れは市場でも取り沙汰され、たびたび相場ではポンド売りに繋がっていました。

しかし最近になりメイ英首相が3月12日の議会採決で否決された場合は、翌日に「合意なき離脱」を行うかどうかの採決を行い、これも否決された場合は離脱を3か月延期すると発言しました。

このような状況のなかで行われた3月12日の議会採決時の相場の動きをMT4で分析していきます。

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英国EU離脱(ブレグジット)案議会採決までの流れ

3月11日に英国のメイ首相とEUのユンケル委員長は協議を行い、これまで離脱案反対派が求めてきたものに対して改善を得たという認識を示しました。これを受けてメイ首相は議会採決にかけることになりました。

3月12日は日本時間の23時頃から審議が始まり、13日未明に採決が行われるという流れでした。

この日の審議でメイ首相は「この協定案が承認されなければ、離脱実現はない。仮に離脱延期になり新たな離脱案を作成したとしても、それをEU側が認める保証はない」といった発言を行い、今回の議会採決での承認を求めました。

実は離脱協定案の議会採決は2019年1月15日にも行われています。結果は賛成202、反対432という大差で否決されています。

メイ首相はこの結果を受けて離脱案を修正したうえで今回の採決に臨んだ次第です。

MT4チャートでの英国EU離脱(ブレグジット)案採決

それでは、MT4チャートで英国EU離脱(ブレグジット)案採決前の審議開始前の相場の動きを見てみます。

チャートはEURGBP(ユーロポンド)の1時間足です。

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チャートを見ると審議開始前に大きくユーロが買われていることが分かります。これは市場が今回の議会採決で離脱案が否決されると判断していた結果でしょう。ユーロ買いというよりも「ポンド売り」といった意味合いが強いかと思います。

というのもGBPUSDやGBPJPYといった別の通貨ペアでみても、同じ時間帯ポンド売りが見られたからです。ユーロについてはEURJPYなどの通貨ペアではユーロ売りが見られたことからも、市場はユーロが強いではなく「ポンドが弱い」と判断していることが分かります。

次は審議開始から採決までの相場の動きを見てみます。審議は日本時間3月12日23時から3月13日4時ごろまで行われたようです。

チャートはEURGBPの5分足です。

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ここでも審議前と同様に全体的にはユーロ買いポンド売りの相場になっています。

審議中にはその様子が経済ニュースで配信されていましたが、その内容を判断してもポンド売りの流れは変わらなかったようです。

次に採決時以降の相場の動きを見てみます。採決の結果は日本時間3月13日4時20分ぐらいに明らかになりました。その結果は先日したとおり242対391で離脱案否決という結果でした。

チャートはEURGBPの5分足です。

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離脱案否決の採決結果が出ると同時に大きくユーロ売りポンド買いの相場になりました。5分間でおよそ45pipsほどの動きです。

これは結果発表前のユーロ買いの決済のためのユーロ売りだと予想されます。ユーロ売りポンド買いの動きは限定的で、その後は再びユーロ買いポンド売りの相場になり、およそ1時間で採決結果発表前のレベルまで戻りました。

しかしここから相場は一転します。

それではその後の相場を見てみます。チャートはEURGBPの1時間足です。

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採決結果が発表されてからしばらくはユーロ買いポンド売りの相場でしたが、それが落ち着くと一気にユーロ売りポンド買いの相場に転じました。

これは離脱案否決は市場の予想通りでありサプライズ感はありませんでした。そのため結果が発表された時点でポンド売りの材料が出尽くし、今度は「合意なき離脱」が回避され英国のEU離脱が延期されるという市場期待が「ポンド買い」という結果につながったと予想できます。

合意なき離脱に対する議会採決

離脱案の議会採決の翌日3月13日には予定通り「合意なき離脱」を行ってよいかどうかの議会採決が行われました。その結果が発表されたのは日本時間3月14日4時20分ごろです。

それではその時の相場の動きを見てみます。チャートはEURUSDの5分足です。

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採決結果は市場の予想通り321対278で「合意なき離脱」が否決されました。この結果は世界経済にとってポジティブな内容ですので、一気にポンド買い相場になりました。およそ100pipsほどの動きです。

EURGBP相場はこの後、いくらかのユーロ買いは見られましたが材料は出尽くしましたので、動きの少ない持ち合い相場に転じています。

今後のEU離脱までの流れ

3月15日に英議会はEU離脱期限の延期を可決しました。これについては既定路線なので市場は反応薄で相場の動きは限定的でした。

EUの離脱期限は6月30日に延期されひとまずは「合意なき離脱」の危機は脱しましたが、EU側は再交渉は行わないという意思を示しているなど前途は多難です。

今後の流れとしては、期限までに離脱案を合意にこぎつけるか、あるいは更なる期限延期を決めるかということになりそうです。

EU側は長期の期限延期を求める可能性が高いようですが、今後も動向に注目しなければなりません。

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