MT4で分析するパウエルFRB議長発言
2019年1月10日26時(1月11日2時)にパウエルFRB議長発言がありました。
FRBとは「Federal Reserve Board(連邦準備理事会)」の略で、日本でいう日本銀行にあたります。パウエル氏はそのトップに位置する人物です。
国の中央銀行のトップの声明ですので、その国の経済状況を知るうえでとても重要であり、時に為替相場に大きな影響を与える事もあります。
先日発表されたFOMCやFOMC議事録では、2019年の利上げについて不透明感がありましたので、今後はパウエルFRB議長の発言にも注目が集まりそうです。
なお当社はMT4 EAの開発を専門に手掛がける会社です。MT4 EAにご興味のあるかたは以下のボタンから無料EAをご取得ください。
市場はバランスシートの縮小発言に反応
パウエルFRB議長の発言ではいくつかのキーワードが出てきましたが、その中でもバランスシートの縮小についての発言に市場は敏感に反応したようです。
今回のFRB議長発言の内容は以下のようなものでした。
・FRBは立ち止まって観察し、辛抱強く柔軟にいられる。
・2018年は米経済にとって素晴らしい年だった。
・労働市場は多くの指標で力強さを示す。
・金融市場は下振れリスクに対する懸念を加速させている。
・景気後退のリスクが高まっている気配はない。
・資産バブルのリスクもない。
・主な懸念は世界経済。
・インフレは2%付近を見込む。
・中国経済を注意深く監視。
・バランスシートを正常に戻したい。
・長期的にどの水準になるのかまだわからない。
・バランスシートはいまより小さくなるだろうが、以前よりは大きい。
内容的にはほとんど先日のFOMC議事録を追認するようなものですが、バランスシートに関しての発言は出てきていませんでした。
FRBのバランスシートとは
FRBのいうバランスシートとは以下の画像のような貸借対照表のことで、シートの左側に「資産」、右側に「負債および純資産」が記載されます。
FRBはリーマンショック後の景気後退時に金融緩和(量的緩和)策を実行しました。そのさいに米国の国債等を大量に購入することで、市中に資金供給を行いました。その結果としてFRBのバランスシートは以下の画像のように9000億ドルあまりから4兆5000億ドルほどにまで拡大してしまいました。
今回のパウエルFRB議長発言での「バランスシートを正常に戻したい」というのは肥大化したバランスシートをリーマンショック前の状態に近づけるために縮小したい、ということです。つまりは大量に購入した米国債等を売り、負債を返済することでバランスシートを縮小するということです。以下の画像をごらんください。
こうしたバランスシートの縮小は、好況時の景気過熱を抑える効果があります。FRBによると、今後の景気や金融市場の動向に配慮して進めていくとの事です。
MT4チャートでのパウエルFRB議長発言の分析
それでは、MT4でFOMC議事録発表時のドル円チャートの動きを見てみます。
チャートの時間足は1時間足です。
バランスシートの縮小を検討するという事は、景気後退のリスクが高まっていないことを意味しているため、これはドル買い要因になります。
MT4チャートを見てもパウエルFRB議長発言時(チャート上の赤矢印)以降、ドル買いが進行しましました。その後ややドル売り相場になっていますが、FRB議長発言の内容が下支えになっているようです。
今回のパウエルFRB議長発言を受けて
今回のFRB議長発言の内容を大まかにまとめると、「米経済は景気後退のリスクは見受けられないが、世界経済に不安はある。今後は金融引き締めの方向に舵を取り直しバランスシートの縮小を行いたい」といったものです。
バランスシートの縮小計画にたいする具体的なものはまだ見えてきませんが、パウエルFRB議長も言っているように、今後の米国の景気動向を見ながらになりそうです。
今後のFRB議長発言で、そのあたりの具体的な発言も出てくる可能性がありますので注目しましょう。
当社のMT4 EAをご使用の皆様には、毎月初めに相場予想とMT4 EAの稼働に注意すべき重要経済指標の情報をご報告しております。当社のMT4 EAはすべて無料で提供しておりますので、ご興味のある方はブログ訪問をきっかにぜひ下のボタンより無料EAを取得されてください。
ブログランキングにも参加していますので、ページ訪問をきっかけに是非クリックをいただけると嬉しいです。