FXのレバレッジとは、日本と海外との違い

2017年05月28日

レバレッジとは、小さな力で大きなものを動かす梃子(てこ)のことであり、FXでは少ない証拠金で大きな利益を獲得したい場合に使われます。日本では最大レバレッジが25倍と規制されているため、大きな利益を狙う投資家は海外のFX会社を選択すると良いでしょう。MT4でEAを使って自動売買をおこなう方も海外のFX会社をおすすめします。

日本と海外のレバレッジ事情

日本には500倍などのハイレバレッジを売りにするFX会社が沢山ありましたが、現在は2011年8月に発表された金融商品取引法により、個人FXトレーダーのレバレッジは25倍に規制されました。法人は2017年2月にヒストリカル・ボラティリティ方式(HV方式)といったものでレバレッジ規制がおこなわれています。HV方式とは、過去の相場変動に基づいて通貨ペアごとに毎週レバレッジが見直される方式で約30倍~80倍程度で変動し、状況によっては25倍を下回ることもあります。

海外のFX会社は各国が定めている最大レバレッジが適用されています。ヨーロッパ、オーストラリアやロシアではレバレッジの規制自体が存在せず、日本人の多くが口座開設をしているヨーロッパ拠点のFX会社では500倍や1000倍のレバレッジを提供する会社も多く存在します。レバレッジが1000倍になると10万円の資金で最大1億円分の通貨を購入することができます。

なお、韓国や香港ではレバレッジ20倍、アメリカにおいては日本よりもレバレッジ規制が厳しく、通貨ペアごとに5倍~33倍でレバレッジが定められています。

日本と海外のレバレッジ事情

レバレッジのメリットとデメリット

レバレッジのメリットは少ない証拠金で大きな利益を獲得できることにあります。例えば、最大レバレッジ1000倍のFX会社を利用して10万円の証拠金で1ドル100円を1億円分購入し、為替レートが101円になれば100万円が利益となります。1円程度の値動きはアメリカの雇用統計時やFOMCで頻繁に動きますので珍しいことではありません。

レバレッジのデメリットは上記と同様の条件でFXトレードをおこない、為替レートが99.9円に値下がりするだけで10万の証拠金が底をついてしまうことです。わずか0.1円の値下がりで10万円を失ってしまいます。

つまりレバレッジのメリットとデメリットは、大きな利益が得られる可能性がある反面、一瞬で証拠金を失ってしまう危険もはらんでいるということになります。上記は最大レバレッジでFX取引をおこなった極端な例となりますので、証拠金に見合ったロット数でレバレッジコントロールをしてFX取引をおこなえば、ローリスクで安全なFXトレードが実現できます。

当社がMT4で開発しているEAは自動的にレバレッジコントロールを実行します。MT4でパラメーター調整をおこなえばレバレッジコントロールを手動でおこなうこともできます。レバレッジコントロールについては下部で説明しています。

レバレッジの計算方法

証拠金以上のFXトレードをおこないたい投資家は高いレバレッジでFXトレードをおこなうのが良いでしょう。日本のFX会社の最大レバレッジは25倍となるため理想の取引金額でFXトレードができるかを事前に確認する必要があります。以下に紹介するレバレッジの計算式を覚えて必要なレバレッジを計算できるようにしておきましょう。

取引金額(円換算) ÷ 証拠金 = レバレッジ

証拠金10万円で、1ドル110円(USD/JPY)の時に2万ドル分(220万円)を取引したい場合は「220万円 ÷ 10万円」でレバレッジ22倍と導き出されます。つまりレバレッジ21倍のFX会社では取引ができないことになります。

USD/JPYのレバレッジ計算

証拠金10万円で、1ユーロ130円(EUR/JPY)の時に2万ユーロ分(260万円)を取引したい場合は「260万円 ÷ 10万円」でレバレッジ26倍と導き出されます。つまりレバレッジが25倍のFX会社では取引できないため、日本のFX会社ではFXトレードができないことになります。

EUR/JPYのレバレッジ計算

日本円が関係しない通貨ペア(EUR/USD 、GBP/USDなど)を購入したい場合は以下のようなレバレッジ計算がおこなわれます。

証拠金10万円で、1ユーロ1.2000ドル(EUR/USD)の時に2万ユーロ分を取引したい場合は「20,000ユーロ × 1.2000ドル = 24,000ドル」。1ドル110円であれば「24,000ドル × 110円 = 264万円」となり、「264万円 ÷ 10万円」でレバレッジ26.4倍と導き出されます。つまり最大レバレッジ25倍の日本のFX会社ではFXトレードができないことになります。

上記のような二段階の計算は手間がかかるためEUR/JPYのレートを確認した方が簡単です。以下画像をみるとEUR/JPYのレートは131.898円となっていますので「20,000ユーロ × 131.898円 = 2,637,960円」となり、「2,637,960 ÷ 10万円」でレバレッジ26.37倍と導き出すことができます。

EUR/JPYのレートを確認

レバレッジコントロール

最大レバレッジが500倍や1000倍の海外のFX会社で口座開設をしたからといって、闇雲にハイレバレッジでFXトレードするのは危険です。期待と反対方向に為替相場が動けば大損失となる恐れがあるのでレバレッジコントロールをおこないながら安全にFXトレードを実行することが大切です。レバレッジコントロールとは、損失の許容範囲を考えながらレバレッジを決めてFXトレードをおこなう取引手法になります。

例えば10万円の証拠金でレバレッジ500倍のFXトレードをおこなったとします。1ドル110円(USD/JPY)であれば「10万円 × 500倍 ÷ 110円」で約45万通貨のUSD/JPYを購入することができます。勝てば利益は大きく、負ければわずか23pipsの損失で全ての証拠金がなくなることから、500倍のレバレッジがどれだけ危険なFX取引であるかが分かります。

レバレッジを20倍にするとどうなるでしょう。「10万円(証拠金) × 20倍 ÷ 110円」で約18万通貨のUSD/JPYが購入できることが分かりました。発注量を100で割ると1pipsがいくらかが分かります。18,000通貨は「1pips=180円」であり、「10万円 ÷ 180円 ≒ 555」で約555pipsの損失が許容できることが分かりました。555pipsの許容値があれば、ほとんどのFX取引でロスカットにかかることがありません。

このようにレバレッジを最初に決定して、購入量を決定していけば予期せぬ危険なFXトレードを避けることができます。

MT4で稼働するEAとレバレッジ

MT4を活用したEAトレーダーも、レバレッジを計算してFXトレードをおこなうことが大切です。EAはMT4プラットフォームで自動売買をおこなうFX取引ソフトであるため、チャートを監視しているFXトレーダーは殆どいないと思われますので、ハイレバレッジなEAトレードをしていると大きな相場変動で一気に損失が膨らむ可能性があります。一般的なEAはパラメーターの設定画面で発注ロットの調整ができるため、EAを稼働する前にMT4で発注ロット数を調整することをおすすめします。

当社がMT4で開発しているEAにおいては、証拠金の増減に合わせて自動的にMT4で発注ロットが調整できる「マネーマネージメント」機能を搭載しているため、EA稼働の前にMT4でロット数を計算したり設定したりする必要がありません。

その他にも、EAのプログラムには相場ボラティリティの低下を感知して、一時的にレバレッジを数十倍に高めると同時に損切幅や利益幅を狭くしてリスクを低くするロジックが組み込まれていることがあるため日本の最大レバレッジ25倍のFX会社ではMT4によるEAトレードが対応できないことがあるため、自動売買ソフトのEAを稼働させる方は、海外のFX会社で口座開設をおこなうことをおすすめします。

当社がMT4で開発するEAは全て無料で提供していますので興味のある方はページ訪問をきっかに無料EAを取得してみてください。

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