FXトレードの通貨ペア
FXトレードは二国間の通貨の売買で成り立っています。この二国間の通貨の組合せのことを「通貨ペア」といいます。たとえば米ドルと日本円のトレードであれば通貨ペア名は「米ドル/円」で、英語表記にすると「USD/JPY」となります。ユーロと日本円であれば「ユーロ/円(EUR/JPY)」、ユーロと米ドルならば「ユーロ/米ドル(EUR/USD)」となります。
米ドル/円のレートが120円であれば、米ドルの1ドルと日本円の120円が同じ価値ということで、ドルで円を買うことを「円買い」、逆に円でドルを買うことを「ドル買い」と言います。
今回はFXトレードでの通貨ペアの特徴や利益のあげやすい通貨ペア、逆に利益のあげにくい通貨ペアなどについて説明していきます。
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FX市場でトレードされる主な通貨ペアの種類
FXの市場にはいくつもの通貨ペアが存在し、その数は100種類以上あります。ただしどこのFX会社でも全ての通過ペアがトレードできるわけでなく、FX会社によってトレードできる通貨ペアの種類は異なります。以下に世界市場と日本市場でトレードされる代表的な通貨ペアをあげておきます。また各通貨ペアのFX市場における取引高のシェアも記載しておきます。
【世界市場で取引される主な通貨ペアとシェア】
【日本市場で取引される主な通貨ペアとシェア】
世界市場と日本市場でトレードされる通貨ペアとそのシェアでは異なる部分がいくつかあるのが分かります。
世界市場では「ユーロ/米ドル」と「米ドル/円」がそれぞれ20%前後のシェアを占めておりますが、日本市場では圧倒的に「米ドル/円」がトレードされております。これはテレビで見るニュースなどで本日の為替レートとして米ドル/円を耳にしますので、馴染み深くトレードしやすいのが理由でしょう。
また世界市場ではほとんどトレードされていない「英ポンド/円」が日本市場ではシェア2位になっています。英ポンド/円は値動きが大きいので利益が上げやすいと考えれているようです。
しかし同様に値動きの大きい「英ポンド/米ドル」は世界市場では人気がある通貨ペアですが、日本市場ではわずか1%にとどまります。やはり円が含まれない通貨ペアは日本ではあまり人気がないようです。
通貨ペアのスプレッド
通貨ペアにはそれぞれ「スプレッド」というのが存在します。まずは以下の画像をごらんください。
それぞれの通貨ペアの横に二つのレートが表示されています。「Bid」というのは、その通貨ペアを売る時のレートで「Ask」というのは、その通貨ペアを買う時のレートです。このBidとAskの差額が「スプレッド」です。
上の画像のUSD/JPYを例に見てみると、Bid(売り)は112.532でAsk(買い)は112.549です。その差は0.017となります。USD/JPYの場合は百分の一の位が1pipsになりますので、0.017は1.7pipsとなります。つまりUSD/JPYのスプレッドは1.7pipsということになります。ちなみに日本円を含んでいる通貨ペアは全て百分の一の位が1pipsになります。
同様にEUR/USDの差を計算すると0.00018となります。EUR/USDの場合は一万分の一の位が1pipsになりますので、0.00018は1.8pipsとなります。つまりEUR/USDのスプレッドは1.8pipsということになります。EUR/USDのように日本円を含んでいない通貨ペアは全て一万分の一の位が1pipsになります。
スプレッドというは、簡単に言えばトレードするさいの手数料です。たとえば先ほどの画像のUSD/JPYを見ると買値(ASK)が112.549円で売値(Bid)が112.532円なので、1ドルを買ってそれをすぐに売ったとすると、1ドルを112.549円で買い、112.532円で売ることになります。その差額である0.017円が手数料です。
また各通貨ペアのスプレッドは通貨ペアによっても異なりますし、FX会社によっても異なります。以下の画像をごらんください。
同じFX会社でも通貨ペアにより異なりますし、同じ通貨ペアでもFX会社によって異なります。トレードを行うFX会社を選択するさいは、サービスや利便性など色々と考慮して選ぶ必要がありますが、スプレッドはトレードの手数料と同じですから、なるべくスプレッドの小さいFX会社から優先的に選択するのが重要です。
またスプレッドは常に固定されている業者もあれば、常に変動する業者もあります。常に固定されている業者ではUSD/JPYのスプレッドが2pipsとなっていれば、いつ何時にトレードを行っても必ずスプレッドは2pipsです。変動する業者ではトレードするたびにスプレッドが異なります。たいていは値動きが激しくなる経済指標の発表時や取引量が少なくなる週末などの時間帯はスプレッドが大きくなる(広がる)事が多いです。
今はほとんどのFX会社が変動スプレッドを採用しており、固定スプレッドのFX会社も「原則固定」としており、経済指標時などはスプレッドが大きくなることが多いです。固定と変動どちらが良いかという事はなく、好みで選べばよいのですが固定スプレッドのFX会社は絶対数が少なく、その他のサービス面や利便性の選択肢が狭まってしまうので注意が必要です。
通貨ペアのスワップポイント
各通貨ペアにはスプレッドの他に「スワップポイント」というのが存在します。スワップポイントは「スワップ金利」や単に「スワップ」とも呼ばれます。
スワップポイントは各通貨の金利の差のことです。例えば米ドルの金利が3%で日本円の金利が1%だとすると、金利差が2%あります。金利の低い日本円で金利の高い米ドルを買った場合はこの金利差である2%分がスワップポイントとして毎日もらえることになります。逆に金利の高い米ドルで金利の低い日本円を買えば金利差である2%分のスワップポイントが毎日引かれます。
ですので最も低い金利の通貨を使って、最も高い金利の通貨を買えば大きなスワップポイントが付与されることになります。2017年10月現在でもっとも金利が低い通貨は日本円で、もっとも金利が高い通貨はトルコリラです。この両国の通貨ペアはトルコリラ/円(TRY/JPY)で日本円でトルコリラを買った場合、1万通貨あたり100円ほどのスワップポイントが毎日付与されます。
スワップポイントは各FX会社で大きく異なります。各国の金利はどこの会社でも同じはずなのに、なぜ会社間でスワップポイントに違いが出るかというと、他の会社よりも大きなスワップポイントを提供することで顧客を増やそうという意図があるからです。もちろん独自でスワップポイントを増やしているのですから、その分はFX会社が損をしています。なので大きなスワップポイントは顧客を呼び寄せる「広告費」と考えればよいでしょう。
各FX会社が提供するスワップポイントはそのFX会社のウェブページで確認することができます。なおMT4をご使用の方はMT4上でも確認することが可能です。以下の画像をごらんください。
MT4の通貨ペア一覧のなかでスワップポイントを知りたい通貨ペアを右クリックします。すると選択ウインドウが表示されますので「仕様」をクリックします。そうすると以下の画像のように、その通貨ペアの取引条件が表示されます。
この取引条件の中に「買いスワップ 0.82」「売りスワップ -8.24」とありますが、これは1000通貨あたり買いスワップが+0.82円(1万通貨なら+8.2円)、売りスワップが-8.24円(1万通貨なら-82.4円)のスワップポイントがつくということです。さらにその下に「3日分のスワップ 水曜日」とありますが、これは毎週水曜日は3日分のスワップポイントが付与されるということです。FX市場は土日は休場になりますが、その2日分が水曜日に一緒に付与されることを意味します。
スワップポイントについては一つ注意しなければならないことがあります。それは為替レートの変動リスクです。スワップポイントは金利差がプラスになる通貨を持ち続けているかぎり、ずっともらうことができます。日本の銀行に預金するよりもかなり大きな金利がつきますので魅力的に思えますが、為替レートの変動によるリスクも考えなければなりません。
たとえば米ドル/円が1ドル100円のとき米ドルを1万通貨(100万円分)買ったとします。その時のスワップポイントが毎日100円だとすると、10日持ち続ければ1,000円のスワップポイントがもらえます。しかし米ドル/円のレートが1ドル99円になっていれば1万通貨では99万円になり10,000円の損失になっています。スワップポイントを入れても9,000円の損失です。
スワップポイントでもらえる金額は為替レートの変動による金額に比較すると非常に小さなものですので変動リスクを無視するわけにはいきません。為替レートの変動リスクを抑えてスワップポイントで安定した利益を出すことは、通常のFXトレードで利益を出す以上に難しいのでFX初心者の方はスワップポイント目当てでのトレードは避けたほうが良いでしょう。
利益の出しやすい通貨ペアと利益の出しにくい通貨ペア
通貨ペアには利益の出しやすい通貨ペアと出しにくい通貨ペアがあります。それはスプレッドと通貨ペアのボラティリティが関係しています。
通貨ペアのボラティリティとは通貨ペアの「値動きの大きさ」のことです。値動きの大きさとはその日の「最高値と最安値の差」と考えてください。それでは以下の画像をごらんください。
このように日々の最高値と最安値からその差(ボラティリティ)を求めます。それではいくつかの通貨ペアのボラティリティの1ヶ月の平均値を求めてみます。下の画像をごらんください。
それぞれの通貨ペアの1ヶ月の平均ボラティリティを算出しました。その横には通貨ペアのスプレッドが書かれています。そして平均ボラティリティをスプレッドで割ったものが青色のエリアの数値です。
FXトレードは一般的にボラティリティが大きい方が利益が出しやすくなります。しかしボラティリティが大きくても手数料であるスプレッドが大きいとその分利益が出しにくくなります。つまりボラティリティに対してスプレッドが小さければ、利益が出しやすい通貨ペア、逆にボラティリティに対してスプレッドが大きければ、利益が出しにくい通貨ペアということになります。
さきほどの表でいうと青色のエリアの部分の数値はスプレッド1pipsあたりのボラティリティの大きさ表していますので、この数値が大きければ利益が出しやすい通貨ペアだといえます。
表では最も数値が大きいのは68.8のEUR/USD(ユーロ/米ドル)で最も数値が小さいのが25.4のEUR/NZD(ユーロ/ニュージーランドドル)です。つまりこの表の中でもっとも利益が出しやすい通貨ペアはEUR/USDで、もっとも利益が出しにくい通貨ペアが(EUR/NZD)ということになります。
スプレッドは各FX会社で異なりますので、利益の出しやすい通貨ペアも異なる可能性がありますので、ご自身の使用するFX会社のスプレッドを確認しなければなりません。
MT4 EAにおける通貨ペア
MT4 EAでのトレードにおいても通貨ペアの選択は非常に重要です。基本的には先ほど述べた「利益の出しやすい通貨ペア」でMT4 EAを運用する必要があります。
さらにはMT4 EAのロジックと通貨ペアとの相性というのも考えなければなりません。例えばスキャルピング系のMT4 EAに適した通貨ペアやトレンドフォロー系のMT4 EAに適した通貨ペアといったぐあいです。
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