19日、米商務省が発表した6月の住宅着工件数は前月比-2.0%(市場予想+2.0%)、住宅着工件数は前月比は155.9万戸(市場予想158.0万戸)となりいずれも9ヵ月ぶりの低水準となっています。高水準のインフレ抑制のためにFRBが急ピッチで利上げを進めており、それにともなう住宅ローン金利の急上昇が住宅市場を冷え込ませていることがあらためて示された格好となりました。
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米6月住宅着工件数
米商務省は19日に6月の住宅着工件数を発表し、前月比-2.0%で市場予想の+2.0%を下回りました。住宅着工件数の前月比は155.9万戸でこちらも市場予想の158.0万件を下回っています。この結果は2021年9月以来、9カ月ぶりの低水準です。FRBによる急ピッチな利上げにともなう住宅ローン金利の急騰や原材料の高騰で住宅価格も値上がりしたことで需要の陰りが浮き彫りとなり住宅市場の冷え込みが進んでいることが分かります。
6月の建設許可件数は0.6%減の168.5万戸で市場委予想の165.0万戸は上回りましたが、前月の169.5万戸は下回っています。
一戸建て住宅の着工件数は8.1%減の98.2万戸で2年ぶりの低水準。地域別では中西部で増加しましたが、北東部、南部、西部で減少しました。前年同月比では15.7%減少しています。一戸建て住宅の建築許可件数は8.0%減の96.7万7000戸とこちらも2年ぶりの低水準でした。
一方で変動幅の大きい5戸以上の集合住宅の着工件数は15%増の56.8万戸。前年同月比では16.4%増加しています。
ジェフリーズのエコノミスト、アネタ・マルコウスカ氏とトマス・ シモンズ氏はノートで「融資コストの上昇に直面しているが、家賃の上昇が賃貸住宅の建設拡大につながっている」と指摘。ただ、住宅市場全体では第2・四半期の国内総生産(GDP)を1.1%ポイント押し下げると予想しています。
建設許可は得ているが未着工の住宅は1.1%増の28.5万戸で今年の最低水準。一戸建て住宅の受注残は1.3%減の14.7万となっています。
建設中だが未完成の住宅は168万戸と4カ月連続で過去最多を記録。資材や人員の不足で建設作業がスケジュール通り進んでいない状況が浮き彫りとなっています。
住宅市場は金利に非常に敏感に反応する。約40年ぶりの高水準にあるインフレ対策として米連邦準備理事会(FRB)が急ピッチで政策金利を引き上げる中、住宅市場は今年になって著しく軟化しています。30年固定金利住宅ローンの平均契約金利は、今年初頭の約3.3%から6月に6%近くへ上昇。特に初めて住宅を購入しようとする消費者の間で、手が届かなくなった人が増えてます。住宅ローン金利がどこまで上昇するかは不明ですが、FRBが来週の連邦公開市場委員会(FOMC)で再び利上げし、年内にさらに引き上げる計画のため、しばらく高止まりするのはほぼ確実となっています。