チャート分析を極める

移動平均線とFXトレード

2017年07月31日

移動平均線はFXトレードだけでなく、株式トレードや先物トレードなど様々なトレードで利用される、最も有名で使用頻度の高いテクニカル指標です。移動平均線は当日から遡ったある一定期間の終値の平均値をグラフ化したもので、移動平均線の方向性から相場のトレンドを判断したり、ローソク足との位置関係や短期の移動平均線と中・長期の移動平均線との交差(クロス)などによって売り・買いのタイミングをはかったりと多様な使われ方をされます。

移動平均線の歴史は古く1920年代にアメリカで使われ始めたようです。日本では移動平均線がローソク足にからむ事が多いため、「からみ足」とも呼ばれていました。移動平均線は100年近くの歴史を持ち、チャート分析の中でも最も古い手法のひとつですので、そのバリエーションも多くあります。今回は代表的な移動平均線の種類とその特徴、計算方法などを案内していきたいと思います。

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単純移動平均線

単純移動平均線とは、一定期間の終値を単純に平均化しグラフにしたものです。たとえば期間を5日だとすれば「5日単純移動平均線」といった呼び方をします。期間が15日であれば「15日単純移動平均線」といったぐあいです。

それでは5日単純移動平均線を例に計算方法を説明します。もちろん計算方法は知らなくてもチャートソフトでは自動的にチャートに表示してくれますが、計算方法を知っているのと知らないのとでは、テクニカル指標を理解するうえで大きな違いが出てきますので、どのような計算がされているのかは理解しておいたほうが良いでしょう。

ある通過ペアの7日分の終値が以下のようだったとします。

1日目 110円 2日目 112円 3日目 

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ファンダメンタルズ分析とテクニカル分析

2017年07月22日

相場の分析方法にはファンダメンタルズ分析とテクニカル分析があります。ファンダメンタルとはfundamental=根本的という意味で、ファンダメンタルズ分析は相場の動きの根本的な原因を分析することです。一方、テクニカルとはtechnical=技術的という意味で、テクニカル分析は、相場の動きそのものを技術的に分析することです。言い換えればファンダメンタルズ分析は「なぜこのように相場が動いているのか」を分析し、テクニカル分析は「どのように相場が動いているのか」を分析します。

ファンダメンタルズ分析をおこなうには、相場が動く原因を知る必要がありますが、テクニカル分析をおこなう場合は、相場が動く原因を知る必要はありません。それはファンダメンタルズ分析が相場に影響を与える根本的な原因をもとにして、将来の相場の動きを予測するのに対して、テクニカル分析は現在の相場の動き自体を分析して、将来の相場の動きを予測するためです。

通常、FXトレードをおこなう際の相場分析にはファンダメンタル分析とテクニカル分析を組み合わせます。ファンダメンタルズ分析で相場の大きな動きを把握し、テクニカル分析でポジション保有や決済のタイミングをはかります。

ファンダメンタルズ分析をおこなうには

ファンダメンタルズ分析をおこなうにはFX相場に影響を与える様々な要因を知る必要があります。FX相場に影響を与える要因は大きく分けて「経済情勢」「需給動向」「政治情勢」の3つがあります。

経済情勢とは、国の経済の状況によって変化するものです。主なものとしては「政策金利」「インフレ率」「GDP」「雇用状況」などです。需給動向とは国の収入と支出の状況によって変化するもので、「貿易収支」「資本収支」などがそれにあたります。政治情勢はその国の政治の方向性です。2016年6月に英国がEU離脱の方向に向かったとき、FX相場が大きく変動したのはこの政治情勢にあたります。

またこれら3つの要因の他にも、その時々によりFX相場に影響を与えるものもあります。例えば原油相場の変動や、戦争や紛争などの地政学的要因、地震などの自然災害などもそうです。

これら様々な要因がお互いに絡み合い、FX相場の長期的な流れを形作っていきます。それはFXチャートを見ると、長期間に渡って相場が一方向に動いていることが多いことでわかります。下の画像をご覧ください。

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画像はドル円の日足チャートで、縦の白線は1ヶ月スパンで引かれています。これを見ると下落トレンドが約1年半ほど続き、その後上昇トレンドが1年ほど続いていることがわかります。これは二国間における政治や経済動向が短期的に変化するものではなく、比較的長期に渡って関係性を維持していることが理由です。こういった大きな相場の動きを把握するために、ファンダメンタルズ分析をおこなうことは重要です。

テクニカル分析の目的

テクニカル分析の目的は相場の方向性を確認し、将来の相場の動きを予測することにあります。テクニカル分析は過去の価格データを使用し、現在の相場の状況が「上昇トレンド」なのか「下降トレンド」なのか「トレンドが発生していない」のかを判断します。これらを分析することで、上昇トレンドが発生していたら「買い(ロング)ポジションを持つ」。下降トレンドが発生していたら「売り(ショート)ポジションを持つ」。トレンドが発生していなければ「ポジションを持たない」といったFXトレードの戦略が立てられます。つまりファンダメンタルズ分析での判断が、実際にチャート上で値動きとなって現われているかを確認し、実際のFXトレードに結びつけるのがテクニカル分析の役割なのです。

たとえば、アメリカが政策金利を上げたとします。通常は政策金利が上がった国の通貨は買われますのでファンダメンタルズ分析的には「ドル買い」と判断されます。しかし実際にドルが買われているかどうかは、チャートを見て確認しなければなりません。チャートを見てテクニカル分析をおこない、ドル買いのトレンドが発生しているのを確認してはじめてドル買いのポジションを持つという判断ができるのです。そういう意味ではFXトレードにおいてファンダメンタルズ分析よりもテクニカル分析の方が重要だと言えます。

なお、当社は複雑なテクニカル分析をおこない自動的にトレードするMT4 EAの開発会社です。当社のMT4 EAはどなたでも無料でご使用いただけますので、ご興味のある方は以下のボタンから無料EAをご取得ください。

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リスク回避のための移動平均線

2014年01月22日

前回の移動平均線の使い方で100本移動平均線を使用してトレンドの方向と強さの見方をお話しました。

しかし100本移動平均線ではトレンドの方向と強さは判断することは可能ですが、高値づかみ(底値づかみ)のリスクを回避できないのが難点です。

そこで、別の移動平均線を利用して、このリスクをできるだけ回避する必要があります。

ではまず下のチャートをご覧下さい。

MA5-1

100本移動平均線を一気に下抜けし、強いダウントレンドが出ています。

しかしほどなくして、トレンドは終了しだらだらした持合いに変化しています。

こういった場面では、どこが底値なのか判断する必要がありますが、このチャートを見る限り判断する材料がありません。

それでは次のチャートを見てみましょう。

MA5-②

黄色の新しい移動平均線が出てきました。

これは5本単純移動平均線です。

ご覧になって分かるように、トレンドの勢いがあるうちは、ローソク足の実体(始値と終値で囲まれたボックス部分)がこの5本移動平均線を上抜けすることはありません。

しかし一旦ローソク足の実体部分がこれを上抜けてしまうと、トレンドの勢いが失われているのがお分かりでしょう。

上のチャートでは黄色の矢印、赤丸で囲った部分です。

つまり強いトレンドが出ていた場合、エントリーは5本移動平均線を上抜け(下抜け)したらエントリーしてはいけないということです。

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移動平均線の使い方

2014年01月17日

前回の記事で、最強のインジケーターは移動平均線というお話をしました。

「なんだ移動平均線か~」とがっかりされた方も多かったでしょう。

しかし、移動平均線は本当に使い方によっては最強のインジケーターになりうるのです。

MT4の自動売買で使用するEAでも、私の知る限り80~90%のEAで移動平均線は使用されています。

ただその使われ方は様々で、トレンドの判断のほか、エントリー判断、イグジット判断にも使われてるようです。

使用方法が幅広いのも移動平均線の長所でしょう。

さて、今回からは移動平均線の使い方について少しずつ踏み込んでいきたいと思います。

まずは移動平均線の中でも一番シンプルな単純移動平均線です。

インジケーターの中で最もメジャーなものですから、使われている方も多いでしょう。

問題は、「どういう使い方をするか」「何本移動平均線を使うか」です。

どういう使い方をするかについては、まずは「トレンドの方向と勢いを見る」使い方について説明します。

こういった使い方に向いているのは「100本移動平均線」などの長い足の移動平均線です。

本数については、それほど神経質になる必要はありません。

別に120本移動平均線でも150本でも200本でも構いません。

ではまず次のチャートをご覧下さい。

100本移動平均線①

赤いラインが100本単純移動平均線です。

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最強のインジケーター

2014年01月16日

前回お話したように、まずは自分の取引スタイルに合ったインジケーターを決めることが大切です。

様々なインジケーターがありますが、どんなスタイルの取引を行うにせよ、絶対に外せないインジケーターがあります。

それこそがタイトルにあるように、「最強のインジケーター」です。

と、こう書くと今まで見たことも聞いたこともないような、宝物のようなインジケーターが出てきそうな誤解を与えるかもしれませんね。

実は私が考える最強のインジケーターは、少しばかりチャートを勉強した方なら誰もが知っているものです。

それは「移動平均線」です。

皆さんがっかりしたのではないでしょうか?

ほとんどの方が移動平均線のことはご存知でしょうが、「初めて聞いた!!」という方のために少しだけ説明します。

移動平均線というのは、一定期間のレートの平均値を出したものです。

例えば、5本移動平均線ならば

1本前 102.8円

2本前 102.5円

3本前 103.1円

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